"白鯨 上" 2025年12月15日

@tnsugui
2025年12月15日
白鯨 上
白鯨 上
メルヴィル,
ハーマン・メルヴィル,
八木敏雄
隙あらば「鯨」の解説、語り手・イシュメールの慎重で卑屈な人間性が滲む文章、あまり読みやすくはないが、個人的にはかなり好き。ここまで建物や仕草を細かく描写されるのも心地良い圧を感じられ、余白の多い文章とは違った魅力がある。 途中はいつまでイシュメールとクイークェグの密な関係を読めばいいんだと不安になったが、上巻の終盤でようやく海に出て安心した。エイハブがいかにモービィ・ディックに狂わされ、偏執的な情念を抱き、他人に見せない部分がどれだけおかしくなっているかが丹念に書かれており、早くも彼に感情移入しつつある。 8章最後の「しかり、世界は航海中の船であり、その航海に終わりなく、説教壇はその舳先にほかならない。」の一文が気に入っている。
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