みかこ
@mkk_713
2026年5月23日
あふれでたのは やさしさだった
寮美千子
買った
読み終わった
少年刑務所に限らず、懲罰だけでは何も解決しないと考えている。刑務所における社会性向上プログラムの必要性、司法福祉の重要性を感じている。その上で、以下、感想。
・受刑者たちの詩がとにかく良かった。詩集が読みたくなった。詩集のタイトルにもなっている『くも』が特に良い。
くも
空が青いから白をえらんだのです
(p112)
・ただ、本書で繰り返されるように「人間は本来優しい生き物だ」とは、安易には思えない。また、「人は変われる」というのもかなり条件付きの話で、断定できない。(こんなことは著者は言ってないが)それらを支援者側の力不足だと一方的に思うこともできない。全員が全員、加害者になる前に被害者だった訳ではなく、加害者でしかない人もいるだろう。「加害者になる前に被害者だった」がいて、そういう人達に支援が必要なのは事実だが、犯罪者全員そうだと捉えられかねない文章に違和感がある。
・しかし支援者という立場にいる人はそう信じる必要がある。それはそうではない人もいると分かった上でそれでも信じるべきだ。
・一対一ではなくグループワークの力。同じ痛みを持つ受刑者同士でのコミュニケーションはピアワークのような効果があるんだろう。
・「詩の力」。絶大だと思う。何しろ『魂がバレてしまうから、詩を書くには勇気がいる(p214)』のだ。これを自己肯定感の低い人間がやるのはなかなかハードだ。ただし、その魂を受け入れられる経験は何事にも変え難い。この経験を得させるための「勇気」をいかにして獲得させるか。これは一対一では難しい。ここでグループワークが活きてくるのがこの取組の見事なところだと思う。
・揚げ足を取るようで申し訳ないがどうしても飲み込めなかったので。なんとなくだけど全体的にやさしさしかない内容でそれが残酷に感じた。例えば『発達障害は病気ではない(中略)その子の強い個性であると考えたほうがいい。(p155)』一見耳障り良いが当事者からすると絶対に言われたくない言葉だ。少しやさしすぎる世界にいやしないか、と思ってしまいモヤモヤした箇所多数。
・というのも、私自身がこの本に出てくる少年たちに近いところに心があるからだと思う。というわけでこのプログラムを実際に受けてみたい。私も変わってみたい。


