
オハナ
@flower_books
2025年3月22日

クローゼット
千早茜
読み終わった
服と服を愛する人たちのお話。
洋服補修士という仕事の奥深さをこの本を読んで初めて知りました。当時どのようにこの服が着られて、印象を与えていたのか、鮮明に呼び起こす大切な仕事。
自らのクローゼットに閉じこもる纏子と鎧に身を包む晶、そして自らも傷を負っているけれど人との対話を惜しまず内側に籠ることはしない芳。バラバラに見える三人は「服を愛する」という点は共通していて、少しずつだけど確実にお互いの痛みを補修し合っていく。
この本に登場する方々の中でも館長、雛倉さん、周防さんのかっこよさとたくましさと美しさは眩しいくらいに輝いている。それは彼女たちが自分に嘘をつかない生き方をしてきたからなんだらうなというのが文の節々から伝わってきて、纏子と晶と芳にもこの三人の先輩方のような人生を歩んでいってほしいと願う。
4年前に山本耀司さんの本を読んだ時に人にどう思われたとしても自分の好きな服を着ようと思いましたが、その意識は間違っていなかったんだなとこの本を読んで改めて感じました。
好きなものに対してまっすぐに愛を向けることができるというのは、こんなにもかっこいいことだから。





