
キイチ
@Mt_1924
2026年5月23日

ある大学人の回想録: ヴィクトリア朝オクスフォ-ドの内側 (SUPモダン・クラシックス叢書)
マーク・パティソン,
Mark Pattison,
舟川一彦
読んでる
2〜6章
試験範囲になる課題図書が、興味がわかなかったり、お手軽マニュアルを避けてちびちび丁寧に理解しながら読んでいるせいで遅々として進まない(最終的に一部を捨てている)一方で、試験には何ら役立たない、ただ興味の向く面白い本を渉猟して時間を費やしてしまうの、共感してしまう。時代を超えたあるあるなんだなあ……。
とはいえ、課題外で読んでいるタイトルも、自分から見れば立派なギリシャ・ラテン古典文学らしいのだけれど。
マロリーは読書家だったけどガリ勉タイプではなかったし、サンディは言わずもがななので、勉学をコツコツ真面目にやり込むタイプの学生の一人称視点は新鮮。
とはいえ知識の付け焼刃などではなく知性の向上を目指しているので、時代の違いに伴う思想の相違はあるけれど、マロリーの学生時代を思うと近しいものを感じたりもする。
今のオックスブリッジを当たり前と思ったまま振り返ると驚くことばかりで(18世紀後半のことを読んだら口が塞がらなくなりそう)、関連するものを読んでいくとどうにも不真面目な者が目につくけれど、そういう中にもずっとこういう学生たちはいたんだな。
パティソンに限らず、その数が少なかったり、上手く類友に出会えなかったりした学生が、多かれ少なかれ辛い思いをしたり、孤独感を抱いていることは多そう。
リンカンに念願のフェローとして就任するあたりからはまた印象も変わってくるけど、宗教的な意味合いが強いとはいえ、大学内政治的な動きもするようになってきて、学生の頃の立ち回りとはだいぶ印象が変わる。
当人の中では知性や理性の成長が大きいと認識しているようだけど、周りから見たパティソンはどう映っていたんだろうなあ……。