

キイチ
@Mt_1924
ヴィクトリア朝後期〜戦間期、オックスブリッジ、パブリックスクール、英国文化、登山・探検史あたり優先に気分次第
- 2026年7月31日
読み終わったパブリックスクールについて知るために購入したうちの1冊。 パブリックスクールにて置かれる役職や入学可否についてのシステムなど、分からないまま関連書を読んでいる部分がかなりあったので、色々と知識の穴を埋めていただき助かった。 ただし、パブリックスクールについて既に悪い面も含め何冊か読んだ後に紐解くと、良い面に非常に偏って光が当てられていることが気になる……。 暗い面にスポットを当てた章もあるものの、ほぼ昔の過ぎ去ったこととして扱っているというか。 取材して聞き取った内容について、著者が素直すぎるような……「外部の取材に対しては無論そういうポーズを取るだろうな」と思うようなフレーズに対して、あまりにも無邪気すぎるように思ってしまった。 それを専門としている研究者に対してこんな風に見ては失礼かもしれないけれど。 あるいは敢えてポジティブな面に極端にフォーカスしているのかもしれないなどと。 知識の穴を埋めてもらったとは言ったけれど、誤植が目立つことと、断定を避けている言い回しが多いこともあり、本当に信じて良いかブレーキがかかる。 推定を断定のように書かれるより良いし、どのみち典拠は2つ以上当たることになるけどね。 読み物として楽しみ、概観として理解するには良いのかなあ。 枝葉の先まで今すぐ飲み込む気にはなれなかったので、後々他の資料や最悪パブリックスクールへ問い合わせたりして理解を深めた上で、本書がほぼほぼ正確だったらお詫びします……。 - 2026年7月29日Death on the CherwellMavis Doriel Hay読み終わった6/29-7/29 お世話になっているオックスフォード大の博士からの頂き物。1930s、St Hilda's College をモデルとした架空の女子コレッジ Persephone College の学生たちを主人公としたミステリー。 調べ物とは少し年代がずれるとはいえ、1930sのオックスフォード大生たちがオックスフォードで繰り広げるストーリーは参考になるものがあるだろうし、面白かろうということで選んでいただいた大切な1冊。 知っている場所、馴染みの通り、自分もパンティングを楽しんだまさにその場所などが沢山出てきてとても愉しい。 オックスフォード大用語も多く、今ただ語彙が乏しくて理解できなかったと思っている単語のいくつかもこの手の特殊用語のような……。 1910-20s あたりの文章はちょくちょく読んでいるので、執筆年代的なギャップはあまり無かろうと思ったらとても難しく……ミステリーを英語で読んだことがないのもあって語彙が乏しいのに加え、知らない慣用句、何人かの登場人物たちの口語をそのまま反映した台詞、文化理解の不十分さなどなど……ストーリーを追いたくて翻訳アプリを使いまくってしまったので、再読時は辞書を引いたり調べたりしつつ読みたいところ。 それでも文化的な部分や、当時当たり前に共有されていたもの(あるいは読者が知っていると想定されていたであろうもの)へのギャップは調べないとピンと来ない。。 たとえば、著者が女性であるが故に学位は得られなかった女子コレッジの卒業生ということもあってか、この点については強気でモダンに感じる姿勢がはっきりしているのに、東欧のステレオタイプに対する偏見はどぎつかったり。 inquest(死因審問)なんかはそもそもシステムを知らなかったので、検死終わったのに inquest に証人を呼んで何をするんだ…犯人はまだ不明だから裁判はできないのに…と思いながら読み進めていたら、証言を集めて死因を可能な限り突き詰めようとする裁判のようなものが始まってやっと理解するなど。 気楽に読める読み物と仰られたし、確かに娯楽小説だけど、これは勉強になるな〜! ビターな結末と読後感で、金田一シリーズで近いものをよく味わっている気がする。 学生たちの動きが良くも悪くも青いこともあって、ブライドン警部が登場してからぐっと読みやすくなった気がする。彼のような人がこの件に携わったのは、不幸中の幸いだろうね。
- 2026年7月26日
もっと!天幕のジャードゥーガルトマトスープ,谷川春菜読み終わった - 2026年7月24日
- 2026年7月20日
ハリー・ポッターと呪いの子 第一部・第二部 舞台脚本 愛蔵版ジャック・ソーン,ジョン・ティファニー,J.K.ローリング,松岡佑子読み終わったゴールデンスニッチ・チケットに応募してみることにしたので久しぶりに再読。 - 2026年7月16日
天幕のジャードゥーガル 6トマトスープ読み終わった - 2026年7月15日
- 2026年7月14日
- 2026年7月12日
パブリック・スクール新井潤美読み終わった調べ物関係でパブリックスクールについて知る必要がありつつ、そこかしこで言及される片鱗を繋ぎ合わせて理解するにはあまりにもややこしいので、1冊まとまったものを読みたくて。 新井先生の他の著作も面白く、かつ読みやすかったので期待していたけれど、こちらもやっぱり良い本だった。 1910年代と今とでは色々変わっているのは一応分かっていても、こうして見ると本当に大きな変化を遂げているのだなあと……。 パブリックスクールがなくなることは私も当分ないと思うけれど、今はもう留学生が増えすぎて逆にイギリス人からは人気が落ちているなんて話も聞くし、これからも変化は続いていくのでしょうね。この本の刊行以降も色々変わっているはずだし。 古い伝統を極力残してほしいと思うのは、労働階級を含むイギリス人たちのノスタルジー的なものに近いような、観光客精神でしかないような……。 それはたとえば、古い時代を扱ったイギリスが舞台の映画を観て、もう衣服や交通手段だけでなく、人種的な偏りの面でも、(特に観光地や都市圏では)もはやこのような光景を見ることは叶わないのだと、ちょっと残念な気持ちになるのにも似ている。 もちろん私もイギリスでは外国人だし、クリスティーの外国人嫌いが覗く部分なんかに触れると痛むものはあるけど、同時に彼女の気持ちもある程度は分かるつもりというか。。もはや現在の倫理観ではそれは良くないことというのは当然として。 とはいえ、自分が興味を持っているのは、現在のパブリック・スクール全般ではなく、1910年代のシュルーズベリー校なわけで。 シュルーズベリーにフォーカスした邦書、あるいはシュルーズベリーをモデルとした学校物語ないし小説があったら嬉しいけど……あるのだろうか。なんかザ・ナインの中では影薄そうな……? - 2026年7月10日
- 2026年6月11日
The Everest MysteryJochen Hemmleb,Julie Summers読み終わった5/29 - 6/11 縁あって献本として頂き、公式発売日に読了。 2024年に出なければもう年単位で出ないと思っていた、サンディにフォーカスした本。 それが Julie Summers と Jochen Hemmleb という大御所研究者の共著で読めて本当に嬉しい。 イギリスへ行くまでの間にAudible版も聴きつつ復習する。 - 2026年5月28日
図説 ヴィクトリア朝の暮らしCha Tea紅茶教室読み終わった5/25-28 図説シリーズ安定の面白さ! ビートンの家政本を軸に、主にミドルクラス新婚夫婦の1年を追っていく形の構成も良かった。何につけても面白い時代だなあ……他の本で読んだことや、こういう切り口の本では殆ど触れられない探検史方面の動きとも繋がる瞬間があり、知識の網が編まれていくのを感じる。 家政本の1906年版と1923年版でスコーンのレシピが大きく変わっている(旧来のパンに近いものから現代のスタイルに近いものへ変化)らしいけど、WWⅠ直前〜戦間期あたりで変遷していったのかな。 - 2026年5月25日
図説 ヴィクトリア朝の暮らしCha Tea紅茶教室読んでるビートン夫人の家政本、ヴィクトリア朝を調べていると頻出だし読みたいけど未だ完訳がないので、ベースとした日本語書籍に出会えて嬉しい! 今の研究には恐らく必須ではないので後回しにしているけど、いずれきちんと読んでみたいものだ……。 - 2026年5月24日
ある大学人の回想録: ヴィクトリア朝オクスフォ-ドの内側 (SUPモダン・クラシックス叢書)マーク・パティソン,Mark Pattison,舟川一彦読み終わった5/22-24 久々に中身が全然分からないまま購入したけれど、期待以上に面白い1冊だった! オックスフォード運動や19世紀中頃までのオックスフォード大の歴史・状況、諸々の動きに関与する人物たちなど、パティソンのキーになる要素について全然知らないまま読んでしまったので、これ1冊を一読しただけで理解したとは全然言えない。 当然ながら自伝を鵜呑みにするわけにはいかないし、解題にもある通り書かれていないこと・僅かに示されているだけのこともあれば詳述していない時期のこともあるので尚更。 書かれていること、起こった出来事、思想的な部分を理解しているとは言えないけど、 訳者の言葉を借りるなら「象牙の塔の内幕を知るための第一級の資料」「十九世紀イギリス知識界の動向を知る」ものとして面白かったし、パティソン本人が研究対象として十分面白そうだと思ったのも昨日までに感じた通り。 コレッジのトップまでいった人ではあるものの、ド派手な人生! というわけでもなし。 後悔したり、要領が悪かったり、社交苦手な部分がずっと残ったり……それなのに面白かった理由のひとつは、彼の要領の悪さに共感を覚えたからだろうなあ。 極端な風潮、「未消化な命題の集積を本物の知識と思い込まされている」人間のあり方、「学問を深く究めてはいないがまったく無知でもないという階層(これはカントからの引用)」……身につまされる言葉も多い。 最後のは、今なら具体的には自分なりに知ろうとした挙句反ワクや陰謀論にハマってしまうような層が当てはまることではあると思うけれど、やや拡張した自戒として。 宗教は自分の拠り所ではないけれど、かつてある場所で宗教が占めていた場所に今現在入り込みあるものについて、思考を止めず、きちんと吟味していかないといけないのは変わらないね。 もうひとつ、パティソンが引用していた中で好きだったチャールズ・ニートの言葉――「人類は、自分たちに恩恵を与えてくれた先人に、感謝を込めた好奇心を抱く義務を負っている。学問においては、その借りを返すのが我々の役割だ。返済には大した出費を要しない。それどころか、返済することで我々はますます豊かになる。……」(p.204) 自分もささやかな恩返しをしたい人がいるし、この1冊の回想を読んだ今、パティソンその人も「感謝を込めた好奇心」を向けられてほしい。 それにしても、本気で幾人もに借りを返そうとするなら、普通の出来の人間には人生はあまりにも短い! 確かに与えられた恩恵に比して出費は少ないけれど、調達には時間がかかる……せめてこの人には精いっぱいを返したいと、そう思える人が見つかったのはすごく幸せなことなのだろうなあ。 他人の人生や経験を無理に自分に引き寄せようとしすぎかもしれないけれど、身勝手ながら励ましと反省を得ることにする。 - 2026年5月23日
ある大学人の回想録: ヴィクトリア朝オクスフォ-ドの内側 (SUPモダン・クラシックス叢書)マーク・パティソン,Mark Pattison,舟川一彦読んでる2〜6章 試験範囲になる課題図書が、興味がわかなかったり、お手軽マニュアルを避けてちびちび丁寧に理解しながら読んでいるせいで遅々として進まない(最終的に一部を捨てている)一方で、試験には何ら役立たない、ただ興味の向く面白い本を渉猟して時間を費やしてしまうの、共感してしまう。時代を超えたあるあるなんだなあ……。 とはいえ、課題外で読んでいるタイトルも、自分から見れば立派なギリシャ・ラテン古典文学らしいのだけれど。 マロリーは読書家だったけどガリ勉タイプではなかったし、サンディは言わずもがななので、勉学をコツコツ真面目にやり込むタイプの学生の一人称視点は新鮮。 とはいえ知識の付け焼刃などではなく知性の向上を目指しているので、時代の違いに伴う思想の相違はあるけれど、マロリーの学生時代を思うと近しいものを感じたりもする。 今のオックスブリッジを当たり前と思ったまま振り返ると驚くことばかりで(18世紀後半のことを読んだら口が塞がらなくなりそう)、関連するものを読んでいくとどうにも不真面目な者が目につくけれど、そういう中にもずっとこういう学生たちはいたんだな。 パティソンに限らず、その数が少なかったり、上手く類友に出会えなかったりした学生が、多かれ少なかれ辛い思いをしたり、孤独感を抱いていることは多そう。 リンカンに念願のフェローとして就任するあたりからはまた印象も変わってくるけど、宗教的な意味合いが強いとはいえ、大学内政治的な動きもするようになってきて、学生の頃の立ち回りとはだいぶ印象が変わる。 当人の中では知性や理性の成長が大きいと認識しているようだけど、周りから見たパティソンはどう映っていたんだろうなあ……。 - 2026年5月22日
ある大学人の回想録: ヴィクトリア朝オクスフォ-ドの内側 (SUPモダン・クラシックス叢書)マーク・パティソン,Mark Pattison,舟川一彦読んでる1章 クリティカルに知りたい条件とは所属コレッジや時代が違うので空気感などは異なるだろうけれど、システムや用語の訳し方などの参考になればと購入。 サンディもマロリーも名門パブリックスクールからオックスブリッジ進学だったので、家で教育を受けてきた人の経緯はちょっと新鮮。伸びやかだなー。 それだけに、入学後周りから悪い影響を受けたり、自意識過剰になってしまうのは、読んでいてちょっと心が痛む。後々克服したというけれど、2章以降の話だ。 それにしても、サンディの頃も今から見ると大概な面があるとはいえ、昔のオックスフォード大の状況を知ると唖然とする。 謂わば普通及第点以下で卒業するクチと、奨学生や真面目な学生を一緒くたにしてはいけないと知らなかった時、ひたすら困惑していた。 サンディが籍を置いていた当時でも、オックスフォード大に入りながら学問を軽んずる風潮があったという言及はあったけれど(『第三の極地』だっけか……彼はそのグループには属していなかった)、時代を遡るほどびっくりさせられる。 19世紀前半からの数十年を見ていくなら、この点については1854 年のオックスフォード大学法制定が大きな転機になるのかな? - 2026年5月21日
図説 ヴィクトリア朝の子どもたちちばかおり,奥田実紀読み終わった5/20-21 1900年代初頭生まれの子の幼少期の生活や日記、手紙について背景を補完したく購入。 好きな時代ではあるものの、階級や貧富の差の大きさに暗い気持ちも……。 それと同時に、同じヴィクトリア朝といっても、時代が下っていくにつれて色々なものが改善されていき、現代の環境から見てぐっと近づいてくるのに、良くなろうとしていく力を感じたりもした。 この後WWⅠが大きな転機となって落ち目となっていくにせよ、大きく発展する力のある国に生きる人について、子どもたちを軸に読めるのはとても面白かった。 特に赤ちゃんの世話がどのようなものだったかは児童文学でもあまり読んだ覚えがなく新鮮。著者の結びの言葉が沁み入る。 - 2026年5月20日
まないぬのまにまにくまおり純読み終わったあたたかくて優しい素敵な画集。 うちのいぬがいなくなった後に開いたとき、いぬの温かさや愛しさと、覗き込んだ時にかわいい湿った鼻を押し当てていったページにできた微かな歪みに号泣するんだろうな……。 それはまだ先のことだと思うけど、愛しさを改めて噛み締めるからこそ、いつか来るお別れや空白を思って切なくもなってしまった。 一瞬一瞬を大切にしていかないとね。
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