読書の春夏秋冬 "春琴抄" 2026年5月24日

春琴抄
春琴抄
谷崎潤一郎
一ヶ月一冊、一年十二冊の目標を立ててはや五ヶ月が過ぎようとしている。ようやく二冊目を読み終えた。外国に滞在中のため欲しい本を紙で入手することが難しく、それならばと、いつか誰かにお勧めされたこの本を、青空文庫で、ではあるが読んだ。いわゆる文豪と呼ばれる(谷崎潤一郎がそれに当たるのかすら分かっていない)方の著書が初めてで、言葉遣いや文法の違いなどに苦戦し、なかなか読む手が進まなかったが、佐助が自ら失明しようとする部分の描写では気持ち悪さすら感じ、これが描写力ってやつか、、という陳腐な感想を抱いた。 春琴に対して狂愛とも呼べる感情を自身の中に渦巻かせる佐助の、彼女の姿を見れなくなってもなお、その声や自らの触覚を用いて自分の恋焦がれた頃の彼女を見ようとする姿勢は、今の春琴を見えていないし、みていない、と感じた。と同時に盲目になったことで見えるようになったことがあるのも本当そうで人間。文学むずい。
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