
さや
@saya_shoten
2026年5月24日
はつ恋
ツルゲーネフ,
神西清
読み終わった
@ 電車
P134.
解説
ツルゲーネフの悲哀は、その柔らかみと悲劇性のすがたにおいて、本質的にスラヴ民族の憂愁であり、スラヴ民謡のあの憂愁に、じかにつながっている。
〈中略〉
ツルゲーネフのみ哲人である。…彼は人間を愛する。よしんばそれが、あまり感服できぬ人間で、たいして信用のおけぬ場合でも、やはり彼は人間を愛するのだ。
P132.
彼女の眼の中でも、末期の恐れやおびえの色が、やっと消えたのである。忘れもしない、そのとき、その貧しい老婆のいまわの床に付き添いながら、わたしは思わずジナイーダの身になって、そら恐ろしくなってきた。そしてわたしは、ジナイーダのためにも、父のためにも、そしてまた、じぶんのためにも、しみじみ祈りたくなってきたのである。
手の届かなかった人の自由を思って祈ったのだろうか。




