いち。 "一次元の挿し木" 2026年5月24日

一次元の挿し木
一次元の挿し木
松下龍之介
「僕が彼女の手を取り、抱き寄せたその瞬間から、迷宮に足を踏み入れていたのだ。」 ヒマラヤ山中で二百年前に見つかった人骨をDNA鑑定にかけると、四年前にいなくなった妹のデータと一致した。遺伝人類学を学ぶ悠はこの異様な結果を教授の石見崎に相談しようとした矢先、彼を遺体として発見する。さらにその直後、鑑定していた人骨が盗まれる。悠は妹の行方とともに謎を追いかけんと奮闘する。この先に待つ真実が壮絶なものであることを知らずにーー。 人を形作る細胞の説明を随所に散りばめるなど、専門知識紹介が多い中でも読みやすく感じる。その理由は登場人物の視点を細かく分け、丁寧に描くことで可能にしており、物語の描写がよりスッと入るような感覚がある。タイトル回収もわかりやすく綺麗なものだと思う。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved