
時間のかかる読書人
@yoko45
2026年5月25日

読んでる
@ 自宅
漱石の病として、あたまは陰にかくれたもの。胃は日の当たるところにあった。そして「胃の病気がこのあたまの病気の救い」だった、と夫人は見抜いた。それをもっともよく示すのが「道草」です。得も言われぬ不快感。重苦しい気配。主人公の精神は押し潰されそうになる。しかし、胃部不快感がこうした不快感に表現を与えることで、主人公なかろうじてこの世界、この日常につなぎとめられる。冒頭に示唆されたほとんど無限大の不安や恐怖が、慢性的な胃部不快感のエピソードを通して「胃弱」という型のなかに収められ、少しずつ、鎮められていく。胃部不快感を得た健三は、そのおかげで無限大の闇からこの世に連れ戻されるのです。
