
柴犬
@storyseller
2025年3月22日

終末のフール
伊坂幸太郎
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剛鉄のウールにうるっときてしまった。ウールだけに。
終末が来る、と分かったら、私は何をするんだろう。きっと本を読む気がする。見たかった映画を見て、旅行にも行くだろう。ダイエットを忘れて食べたいものをたらふく食べるのも良いな。スタバの無脂肪ミルク変更もやめたい。普通のミルクで飲む。会いたい人に会いに行く。結局みんな終わるんでしょ。だったら好きなことすればいいじゃん。強がりではなく、友人にも言うだろう。
久しぶりに読んだきっかけは知り合いに勧められたからだが、あの人はこれを読んでどう思うのか気になる。一緒に食べた夜ご飯を思い出す。緊張して面白いこと全然言えなかったな〜、悔しいぜ〜と酔いながら思ったことも思い出す。本はいつも、本と付随する記憶も引っ提げてくる。昔読んだ時は受験終わりの晴れやかな秋の日だった。チャートや、単語帳以外のただの文章に溺れるのが楽しくて仕方なかった。当時世界の全てだった高校の景色が急激に広がる。あの頃狂うように好きだった人はもういないし、机を並べていた同級生で連絡をとっている人の方が少ない。
そしていつか、同じ感じで、伊坂幸太郎のこの本に、バカみたいに長文で隙自語してた奴がいたな、と誰かが思い出してくれたら、それはもう本望である。
本屋さんにいる時も、readsを見ても思う。私が死ぬまで、ずっと本を読み続けても読みきれないほどの本が世界にある。これからの人生でまた素敵な本に出会える可能性がこんなに、無限にあることが、堪らね〜


