
夏しい子
@natusiiko
2025年3月22日

ナイルパーチの女子会
柚木麻子
かつて読んだ
これは凄い作品だ。
主人公が精神的に壊れてきたら、そこで終わりになるのが大抵の小説だろう。
けれどこの小説は、壊れてからが本番のように進んでく。
そんな壊れた女である主人公の栄利子、そして被害者のようで、どこか栄利子に似ている翔子。
この物語は栄利子こそが純真で誠実な人間で、後の人たちは薄っぺらな不誠実な人ばかりのようにも感じさせる。
社交辞令という名の嘘を日常茶飯事に吐く人たちこそが
栄利子のような狂った女では無い普通の人たちなのだ。
この物語は、それをひしひしと感じさせる凄まじい小説だ。
