
ひなひな♪
@hinahinaonnpu
2026年5月24日
spring
恩田陸
読み終わった
萬春と言う人物を4人の視点から描いた作品。読み進めるにつれて徐々に春という人物への理解が深まっていく様は、まるで木から仏像を彫り出すような読書体験。
文学的には凄いと思いますし、考察が捗る作品です。しかし大きな事件が起こるような小説ではなく、3章まではひたすら春についての記述が続くので読んでいて退屈に感じるかもしれません。
1人目は同じ団の仲間,2人目は叔父,3人目は作曲家の目線で語られ、春は悩みも無く順風満帆に生きているように見える。
しかし4人目の本人視点では、自分は何者かも分からず、また人からも理解されていない事に苦悩している事が分かる。
先の3人との繋がりから自分自身の表現と発露に成功し、闇の中に僅かな光を見つける所で作品は終わる。