
tico
@mi03
2026年5月25日
命売ります
三島由紀夫
読み終わった
まず序盤の主人公が自殺をしようと言う考えに至った理由、そしてその描写に圧倒される。
新聞の字がゴキブリになり「ああ、世の中はこんな仕組みになってるんだな」それが突然わかった。わかったらむしょうに死にたくなった。というのだから凄まじい。
色んな人に命を買われ、翻弄されていく主人公は次第に死の恐怖に追われるようになり、ついには狂ってしまう。
いや、最初から狂人の話をずっと面白がって読んでいただけなのかもしれないと思うと背筋がすっと冷たくなる。
「あなたは人間はみんな住所を持ち、家庭を持ち、妻子を持ち、職業を持たねばいけないと言うのですか」
「俺が言うんじゃない。世間が言うのさ」
「そうでない人間は人間の屑ですか」
命を売る人間も買う人間も、人間の屑だと書かれてはいるが、そういうものを許さない社会に対する憤り、叫びのようなものを感じた。
