本屋lighthouse "アフリカ文学講義" 2025年3月22日

アフリカ文学講義
アフリカ文学講義
アラン・マバンク,
中村隆之,
福島亮
今日もお店は閑古鳥がギャア、隣のカフェは大繁盛。という状況を嘆く投稿をSNSにあげれば大反響となることは容易に推測でき、だからこそ拡散機能のないこの場にこそふさわしい話題かもしれない。しかし本を読むのにはさまざまな「体力」「気力」が必要で、人文書のような難しい本ではなくとも読めないときは読めない。ほとんどの人は本がなくとも生きていけて、そういう人が本を読みたいと思いかつ実行に移すのには、相当な「体力」と「気力」ときっかけが必要だ。さらにその前提として、余剰分としてのお金がなくてはならない。カフェでスマホを見ているかれらはそれを優雅にしているのではなく、それしかできないのかもしれない。そういう想像力が本屋のうちに根付かないかぎり、この社会状況は変わらず、つまり本屋に人が来ることもない。 かつてベルギーはルワンダを支配するため、現地部族のフツ族とツチ族を意図的に敵対させた。その目論見は時代を経て、植民地支配が形式上では終わりを迎えたあとに、ジェノサイドとして結実する。本を読む人、読まない人、という敵対構造もいずれ同様の結果を生むのかもしれない。あるいは、現状がその結果そのものなのかもしれない。
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