
人工芝
@_k55y
2026年5月26日

大好きな人、死んでくれてありがとう(新潮文庫)
まさきとしか
読み終わった
人の「本当の顔」とは何なのかを深く考えさせられる作品だった。
優しそうに見える人にも隠している感情があり、
誰かに愛されたいという普通の気持ちが、いつの間にか嫉妬や執着へ変わっていく。
その過程がとてもリアルで、読んでいて苦しくなるほど人間の裏側が描かれている。
特に印象的だったのは、「なぜ人は亡くなってから語られることが多いのか」という部分だ。
生きている間には見えなかった感情や関係性が少しずつ明らかになっていき、読むほどに登場人物たちの見え方が変わっていく。
また、“自分だけは特別だ”と思ってしまう感情の危うさも強く伝わってきた。
誰にでもある愛情や寂しさが、少しずつ形を変えて依存や執着になっていく描写がとても生々しく、気づけば物語に引き込まれていた。
ただ怖いだけではなく、人間の弱さや孤独が丁寧に描かれているからこそ、読み終わったあともずっと心に残る作品だと思う。
タイトルの意味を知った時、きっと最初に抱いた印象とは違う感情になるはず。



