
湯の本棚
@y_book22
2024年6月19日

虫眼とアニ眼 (新潮文庫)
宮崎駿,
養老孟司
かつて読んだ
お二人の対談本
気取らない?自然な雰囲気の流れを感じられてゆっくりゆったりは読み進められた
よかった
対談というよりあたたかい会話本
- 自分の動き穴から世界を眺める、とでも言えばいいでしょうか。アニメーションといえども、いろいろな動きをひたすら描き続けていくうちに「ああ、これが世界の秘密かもしれない」と思う瞬間があります。そして、そういう経験のみ重ねから自分なりのものの見方が形づくられていくのでしょう。
- 子どもが子どもでいられない。そんな変な時代は、そろそろやめにすべきであろう。虫採って、アニメ見て、将来の夢を見ていれば、それでいいのである。生きる力なんて、子どもははじめから持っている。それをわざわざ、ああでもない、こうでもないと、ていねいに殺しているのが、大人なのである。
- 校庭でサッカーボールが転がってるのが見られる。ただ、そこから見ると地平線まで全部家です。それが全部所有権が決まってて、全部どこかに記録が残ってる。どこか一カ所くらいみんなが忘れていて、ポコッと空き地がありゃいいと思うけれど、ヘンなところってお墓くらい。あれはものすごいニヒリズムに陥ります。あまり高いところから眺めるのは、人間の能力に合わないんじゃないかとさえ。そんな力を身につけて人類の未来はなんて、あまり思いすぎるよりも、目の前に気に入った散歩道が見つかれば、それが五〇メートルしかなくても、けっこう機嫌よく生きられる。生き方のコツとしてはぼくはそうだと思うようになってきた。
- もちろん、その保育室で特別な才能を花開かせようなどという気はまったくありません。火が扱えるとか、この枝にぶら下がったら折れるということがわかる子になればいい。勉強ができるかどうかなんて、勉強が好きならできるようになる。そんなことはたいしたことじゃありません。自分なりの見方でもって目の前のことに対処できる、普通の人に育つための助けになればいいと思っています。
