虫眼とアニ眼
27件の記録
noko@nokonoko2025年11月30日買った読み終わった心に残る一節年代が近いということが別に問題なんじゃなくて、その時に同時に入ったものがあるわけで、それがその後、日本が変わってきて抜けちゃったんですよ、ここ五〇年でね。その部分が抜けてない人もかなり残っているんだけど、そのそれの表現がないんです。(略)その表現できないものがどんどん消えていったわけですけど、それは意図的に消したわけじゃなくて、自然に頭の中から消えちゃったんです。それが宮崎さんの作品に出ているんですね。おそらく、それは見る人は郷愁みたいなものなのか、そういうのもあったなぁという気持ちで見ているのか、そうだと納得して見ているのか、いろいろあると思うんです。 情報とかインターネットっていうのは、基本的に相手を操作しようとする願望じゃないかと思うんですよ。相手に自分の影響力を与えたいということなのではないか。(略)僕はやっぱり電気を入れたり、スイッチを押すだけで入ってくる情報は信用していけないと思っているんです。 いわゆるリアリズムという言葉が、死語になりつつあるでしょう。(略)本当に存在しているのは我々の頭の中だけですから、それが非常に普遍的に誰にでも感じ取れるというのを、むしろリアルと言う。 だから、哲学では本来、頭の中にある観念的なものが実在すると言う考え方がリアリズムなのです。一種のプラトン主義ですけど、観念が実在していて、個々の具体的な事物というのは、それが不完全に表現されているものというんでしょうか。その具体的な事物からどうやって実在感を起こしてくるか、というのがアートです。それを理屈で言うと、やはり力がなくなっちゃうから、感じてもらうしかないわけです。世の中にあるものはどういうものかと言うのを上手に示しているのが、アートだと思うんですよね。


it_shine@it_shine2025年8月26日読んでる読み終わったp147 情報とかインターネットっていうのは、基本的に相手を操作しようとする願望じゃないかと思うんですよ。相手に自分の影響力を与えたいということなのではないか。……。俗っぽい言い方ですけど、僕はやっぱり電気を入れたりスイッチを押すだけで入ってくる情報は信用しちゃいけないと思っているんです。 p173 アニメであれ文学であれ、あらゆる芸術表現は、その方法でなければ表現できないものを含んでいる。だから文字にならない、言葉にならないのである。そもそも文字でもなく言葉でもないから、芸であり術なのである。それでなければ、言葉だけあれば十分ではないか。 p190 世間には、あいつは馬鹿だ、これもインチキ、あれもウソと罵倒し続けている人がいますが、あれはむしろ本人の精神状態の問題です。この世の中、おかしなことで満ち満ちているのは判っています。しかし、どこもおかしくない世の中など歴史上一瞬でも存在したことはありません。世の中とは、いつもどこかおかしいものなのでしょう。





it_shine@it_shine2025年8月24日読んでるp60「都会というのは人が作ったものしかないんだから、なにが起こったって、追及すりゃあ人のせいにできる。……。都市では必ず背後に人間の行為があって、今の子供たちはそれにすっぽり浸かってる。」



つばめ@swallow32025年7月30日読み終わった"やはりその子たちが生まれてきたことを「間違ってました」とは言えないでしょう。…生まれてきてよかったねって言おう、言えなければ映画は作らない。" 色々とある世の中でこういう思いで映画を作って下さってたっていうのが、すごく嬉しくて泣きそうになった。 電気や水道、ガスが止まったり、ネットで調べたりが出来なくなると自分って1日も生きられないんじゃないかなって思う。でも災害とかでそういう風になる可能性は十分あって、自然の中でもなんとか生きられる最低限のノウハウは持ってないとまずいなと思った。 あとなんでもかんでも人のせいにするのはやめるようにしたいな。 "感性とは、「なんかほかとは違うぞ」って変化がわかることと言っていいんじゃないだろうか。" "世の中には悪いヤツが必ずいて、そいつをやっつければ、この世はよくなるという考え方、あれは、もうやめようと思っているんです。そうじゃなくて、こうなったのは、みんなで一緒にやっちゃったんだというふうに思わないと、なにも道は生み出せないと思う。" "人のせいにするというのは都会の人間の典型的な特徴です。なぜかと言えば、都会というのは人が作ったものしかないんだから、なにが起こったって、追及すりゃあ人のせいにできる。これが自然の中なら「仕方がない」ですむんです。" "本人たちはみんな真面目で気がよくて、実に優しいいい子たちなんだけれど、一方で信じられないくらいに、生きていくための武装に欠けている。…世界のことを予見する知恵とか、当座の困難を手先で切り抜ける方法といったことを備えずに、なにも持たずに出てくる。" "昔は自分が変わることがわかっているから、逆に変わらないものにかけたわけで、その変わらないものっていうのが言葉だった。" "みんなが正義を口にしはじめたら、一番やばいときになっているなと思った方がいいと思うんです。" "面白いことっていうのはいっぱいあって、じつは映画になっていないだけで、ちょっと視点を変えるだけで世界はもっと面白いものがいっぱいあるっていうふうに思いますよ。" "その芸や術を、言葉にして説明されなければ、気が収まらないというのは、典型的な現代病、脳化という病気である。" "自分なりの見方でもって目の前のことに対処できる"










湯の本棚@y_book222024年6月19日かつて読んだお二人の対談本 気取らない?自然な雰囲気の流れを感じられてゆっくりゆったりは読み進められた よかった 対談というよりあたたかい会話本 - 自分の動き穴から世界を眺める、とでも言えばいいでしょうか。アニメーションといえども、いろいろな動きをひたすら描き続けていくうちに「ああ、これが世界の秘密かもしれない」と思う瞬間があります。そして、そういう経験のみ重ねから自分なりのものの見方が形づくられていくのでしょう。 - 子どもが子どもでいられない。そんな変な時代は、そろそろやめにすべきであろう。虫採って、アニメ見て、将来の夢を見ていれば、それでいいのである。生きる力なんて、子どもははじめから持っている。それをわざわざ、ああでもない、こうでもないと、ていねいに殺しているのが、大人なのである。 - 校庭でサッカーボールが転がってるのが見られる。ただ、そこから見ると地平線まで全部家です。それが全部所有権が決まってて、全部どこかに記録が残ってる。どこか一カ所くらいみんなが忘れていて、ポコッと空き地がありゃいいと思うけれど、ヘンなところってお墓くらい。あれはものすごいニヒリズムに陥ります。あまり高いところから眺めるのは、人間の能力に合わないんじゃないかとさえ。そんな力を身につけて人類の未来はなんて、あまり思いすぎるよりも、目の前に気に入った散歩道が見つかれば、それが五〇メートルしかなくても、けっこう機嫌よく生きられる。生き方のコツとしてはぼくはそうだと思うようになってきた。 - もちろん、その保育室で特別な才能を花開かせようなどという気はまったくありません。火が扱えるとか、この枝にぶら下がったら折れるということがわかる子になればいい。勉強ができるかどうかなんて、勉強が好きならできるようになる。そんなことはたいしたことじゃありません。自分なりの見方でもって目の前のことに対処できる、普通の人に育つための助けになればいいと思っています。





















