Tomy "瞬きすら許さない" 2026年5月26日

Tomy
Tomy
@books_tomy
2026年5月26日
瞬きすら許さない
瞬きすら許さない
ジョー・キャラハン,
吉野弘人
とても面白かった。 AIを活用した犯罪捜査を描いた少し未来の警察小説。でも個人的には本作の見どころはAIではなく、パートナーを癌で失って一人息子も親離れの途上にあり孤独を感じている主人公キャットの心情描写にあると感じた。キャットの心の揺らぎや感情の昂りを丁寧に描いていてとても感情移入して読むことができた。 またチームメンバーもそれぞれに自身や家族にのっぴきならない事情を抱えていて、そのバックグラウンドに基づく意思決定や行動によりメンバー間の不和が発生したりと、キャラクター面からも没入しやすい小説だと感じた。 時折挟まれる監禁シーンの不穏な描写にもとてもハラハラして、キャットが捜査している事件とどう繋がるのかが気になってどんどん読み進められたし、「人工知能捜査体」のロックという飛び道具のおかげで他の小説の警察捜査では人海戦術で対応して時間がかかりがちなカメラ映像やSNSなどの情報収集や分析がサクサク進むことで、物語の遷移もスピーディーでテンポよく進む。 時間の犯人と真相が判明する場面は急転直下というか急ハンドル切られた感があったけど私は楽しめた。 小説の雰囲気がM・W・クレイヴンの「ストーンサークルの殺人」に少し似てるなあと感じたのでそちらが好きな人にはハマるかも。 本国では第4作まで出ているらしいので今から続編が楽しみ。
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