

Tomy
@books_tomy
ミステリとSFが好き
いいねは以前読んで面白かった本もしくは気になって読んでみたい本
- 2026年10月2日
カフネ阿部暁子読み終わった心に沁み渡るいい話だった。 料理の描写が作中沢山出てくるけど、話自体も滋味深い味わいのよい小説だった。 ミステリというわけでは決してないんだけど、主人公薫子の弟の春彦の死に謎がある点は読んでて引き込まれたし、最後にはちゃんと謎の理由が判明してスッキリした。 作者の人物・心理描写が非常に巧みかつ繊細で、主人公の野宮薫子や春彦の元恋人の小野寺せつななどなど、ちょっと難があるキャラクターだったり人間の嫌な醜い感情の描写も含めて愛さずにはいられないような人物造形がとても上手いなあと。上記以外にも魅力的な登場人物が沢山出てきて、個人的なイチオシキャラクターはせつなの勤める家事代行サービス会社カフネの社長の常盤斗季子さん。 最後まで読んで、家族だろうが赤の他人だろうが人と人との繋がりのあり方は自由だし何にも規定されてないんだよなあと改めて気付かされた。 出てくる登場人物は人生に絶望していたり、自分を生かすということがままならなかったり、精神的に追い詰められていたりとギリギリの生活をしている人が多いのに、みんななんとか懸命に生きようとしている姿が押し付けがましくなく、心に寄り添ってくれるような作者の優しさを感じて勇気づけられた。 - 2026年9月29日
カフネ阿部暁子読み始めた - 2026年9月28日
時空旅行者の砂時計方丈貴恵読み終わった第29回鮎川哲也賞受賞作。 タイムトラベルがトリックの鍵になる特殊設定もののミステリ。 館の見取り図や家系図が出てきたり、バラバラ死体や見立て殺人が行われたりと本格ミステリ感満載なのに、それ以上にタイムトラベルの要素が前面に立ちすぎて、途中から自分で推理するのを放棄してしまった。 肝心のタイムトラベルも「時空移動の四つの制約」があったり、読み進めていくとビックリ箱のように驚きの設定が出てくるのでそれについて行けないと読むのがキツイかも。 本格ミステリ×特殊設定の作品としてよく練られた推理小説だと思うけれど、同じく鮎川哲也賞受賞作の「屍人荘の殺人」と比べると細かい設定が多いためか全体的に説明が多いなあという印象で今一つストーリーに入っていけなかった。 - 2026年9月26日
ソラリススタニスワフ・レム,沼野充義気になる - 2026年9月26日
時空旅行者の砂時計方丈貴恵読み始めた - 2026年9月25日
ブラックサマーの殺人M・W・クレイヴン,東野さやか読み終わった面白かった! 今作は事件自体は前作のストーンサークルの殺人よりも地味で小ぶりな印象だけど、読ませるストーリーなのは変わらずで、特に冒頭でポーが逮捕されるシーンから始まったのには面食らったし、「どういうことなの⁉︎」と続きが気になってどんどん読み進んでしまった。 犯人の策略によってポーが追い詰められていく様子は読んでて息が詰まるようだったし、ラストの犯人の自白を引き出すシーンは爽快だった。 ブラッドショーの活躍は前作に比べると控えめだったけれど、ポーとのコンビ感はより深まってるように感じて読んでてホッコリ。 次作のキュレーターの殺人も楽しみ。 - 2026年9月22日
ブラックサマーの殺人M・W・クレイヴン,東野さやか読み始めた - 2026年9月21日
犯罪者 下太田愛読み終わった太田愛さんの作品は初めて読んだけどめっちゃ面白かった!! 4人が刺殺される通り魔事件の直後、襲われた被害者の中でひとりだけ助かった修司が搬送先の病院で突然現れた男性から「あと10日生き延びれば助かる。君が最後の一人なんだ」という謎の警告を告げられる。 その後、修司は薬物中毒で現場近くで死亡していた事件の犯人は実は替え玉で真犯人が他にいるのでは、という疑問を感じ、刑事の相馬とフリーライターの鑓水に匿われながら通り魔事件の被害者の共通点を探っていく。 この導入の部分でガッとストーリーに引き込まれてしまった。読者を作品世界に引き込む謎の提示の仕方が上手い。 また小説の構成が巧みで、修司達が通り魔事件の被害者同士を繋ぐ共通点を探る中で乳幼児が罹患した奇病メルトフェイス症候群との繋がりを判明するのだけど、その見せ方も上手いなと思った。病気の原因となった離乳食を製造した食品メーカー勤務の中迫を通して事件の発端がわかったり、中迫の友人の真崎が立てたある計画を知ってドキドキしたりと物語を修司や相馬、鑓水の主人公達以外の視点から多方面に描くことで話に深みが出ているし、登場人物それぞれの人物描写がうまくて感情移入しやすかった。 物語の終盤で修司達が通り魔事件の真相とメルトフェイス症候群にかかる事実を隠蔽しようとした企業のみならず事件の裏で暗躍する暗殺者・滝川も全てまとめて白日の元に晒すための計画を準備〜実行するところからは一気呵成、ジェットコースターのように物語が展開していって一気読みしてしまった。これだけスケールのデカい話を作り上げ、その広げた大風呂敷を最後には綺麗に畳む筆力が素晴らしい。 また、多分著者の方が元々ドラマの脚本を描いていたからか、読書中、脳内での映像化がとてもしやすい文章だなと思いながら読んでいた。また社会に対する問題提起を作中に入れ込んでいるところはドラマ「相棒」の薫りがしたし、テレビの裏事情みたいな事も書いてあって制作サイドの本音を垣間見た気持ちになったりした。 ストーリーテラーで人間描写も巧みだと感じる一方でドラマ脚本家だったからか映像ありきの描写のように感じる部分もあって、作中でメタファーのように何度も出てくる「フロリダキース」と「凍結臨」は多分映像で実際に見たらそこにもっと感情を乗っけて、登場人物たちの気持ちも汲んで読めたと思うので自分の乏しい想像力が惜しかった。 とはいえはちゃめちゃに面白いことには変わりがないので次作の「幻夏」も読むのがとても楽しみ。 - 2026年9月19日
犯罪者 下太田愛読み始めた - 2026年9月19日
- 2026年9月15日
犯罪者 上太田愛読み始めた - 2026年9月14日
受験生は謎解きに向かないホリー・ジャクソン,服部京子読み終わった自由研究には向かない殺人の前日譚。 マーダーミステリーのゲーム自体は和気あいあいと進むし、ストーリーも170ページ程度と短いながらもギュッとまとまっていて面白いのに、読んでいる最中、今後のピップやカーラに待ち受けている未来が頭にチラついてしまい心穏やかに読むことが難しかった。 ところどころ伏線というか、3部作への繋がりのある描写があったりするのでそこも読んでで面白いポイント。 本作のラストは不穏だけど、自由研究には向かない殺人への繋げ方としては見事な締め方と感じた。 - 2026年9月14日
反ミーム部門は存在しないqntm,鳴庭真人気になる - 2026年9月13日
受験生は謎解きに向かないホリー・ジャクソン,服部京子読み始めた - 2026年9月13日
イヴリン嬢は七回殺されるスチュアート・タートン,三角和代気になる - 2026年9月12日
受験生は謎解きに向かないホリー・ジャクソン,服部京子気になる - 2026年9月12日
笑う森荻原浩読み終わった面白かった〜 森で1週間もの間迷子になっていたASD児の真人が発見される場面から物語はスタート。 母親の岬や叔父の冬也が森で何があったか聞いても答えてくれない(答えられない)真人。5歳の子供がどうやって1週間も森で生き延びることができたのかという謎を解明していくのが物語の大きな流れ。 小説の構成としては、森の中で迷子になった真人が4人の大人と出会っていく過程を書いた過去と、無事帰宅できた真人が森での出来事を思わせる言動をする現在とが交互に描かれていて、冬也の調査によって真人の言動や発見時の持ち物などの伏線が回収されていく様が謎解きのよう。よく練られたプロットが見事で物語に引き込まれていく。 森の中で出会った4人の大人たちはそれぞれ一癖も二癖もあり、一様に自分勝手で自己中心的。そしてそれぞれ自分で蒔いた種により(程度の差こそあれ)人生の岐路に立ったことで森に辿り着いてしまった人たち。 森の中の4人やそれ以外の登場人物も人間の汚い部分、醜い部分をまざまざと見せつけてくるんだけれど、愚かさゆえの滑稽さというか愛おしさというか、どこか憎みきれない部分があったり、どうしようもない背景を抱えていたりして荻原浩の人物描写の巧さが際立つ。 誹謗中傷だったり自己正当化する心理だったり、これだけヒトの嫌な部分を見せつけられるのに読後感が爽快で温かい穏やかな気持ちになるのは著者の素晴らしい筆力があればこそ。 ラストで判明する真人の森での最後の出会いについては賛否が分かれるかもしれないけれど、私はこういうの嫌いじゃない。物語なんだからいいじゃない非現実的でも。 物語の最後で真人の成長が感じられて心がじんわり温かくなった。 普段ミステリを多く読んでる人が、たまには心が温まる物語を読みたい気持ちになった時にオススメしたい一冊。 - 2026年9月11日
夜明けまでに誰かがホリー・ジャクソン,服部京子気になる - 2026年9月9日
笑う森荻原浩読み始めた - 2026年9月9日
卒業生には向かない真実ホリー・ジャクソン,服部京子読み終わった面白かったけど、第2部を読んでいる時は辛かった… ピップが犯した過ちや他人に罪をなすり付ける行為は決して許されることではない。「自由研究には向かない殺人」の時のピップが好きだったのに、正直失望のような裏切られた気持ちになった。いわれなき罪を着せられる辛さは人一倍知っているはずなのに。濡れ衣を着せた人がたとえ最悪の人でなしだったとしても。 とはいえ作品の面白さは健在で、すごく読みやすいしグイグイ引き込まれた。 本作は途中まではミステリー、とある事件が発生して以降はクライム・ノベルと違った面白さを楽しめる。 ただ、行動力と正義感を持ち合わせた利発で聡明なピップに思い入れがある人には本作は読んでて悲しくなるような展開になっている。なぜあの場面で自分の力でどうにかしようと思ってしまったのか。 結末はピップやラヴィにとってはハッピーエンドかもしれないけど、読者からすると咀嚼しきれないザラつきの残る終わり方だった。
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