社会人の精度 "何もかも憂鬱な夜に" 2026年5月26日

何もかも憂鬱な夜に
そこまで読書への意欲が高くないタイミングでも、1行読めば引き込まれる。そんな力を中村文則さんの作品からは感じる。目の前に世界が広がるようなものではなく、脳を直接掴まれて映像を見させられているような感覚。 アイデンティティの模索、何者かになりたい欲求、しかしそれへの諦めと、諦めきれない葛藤。 そして、憂鬱。更には、それらを全て救うだけの命という希望。何故生きるのか、語り尽くされたように見えているこのテーマを現代の小説でここまで徹底的に向き合った作品は珍しいように思う。
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