たま子 "(新装版)石垣りん詩集" 2026年5月26日

たま子
たま子
@tama_co_co
2026年5月26日
(新装版)石垣りん詩集
「彼女は悲嘆しない。さめざめとひとりで泣かない。そこにあるのは、きっぱりとしたうつくしさと、静かな気高さである。」 『石垣りん詩集』新装版、永井怜衣さんの帯文と、門坂流さんの装画がよくて買わずにはいられなかった。買ってよかった。昨日からすこしずつ読んでいて、石垣りんさんのしん、と静かに燃える強さに、へたり込みそうになるきもちがすんでのところでとどめられる。なんど政治や世界に落胆しても、背筋をしゃんとして、右にも左にも寄らず、まっすぐ過去を振り返り、ただ前に進みたいと願っていたい。 --- しずかに耳を澄ませ 何かが近づいてきはしないか 見きわめなければならないものは目の前に えり分けなければならないものは 手の中にある 午後八時一五分は 毎朝やってくる 一九四五年八月六日の朝 一瞬にして死んだ二五万人のすべて いま在る あなたの如く 私の如く やすらかに 美しく 油断していた。 ーp12 挨拶より抜粋 --- 炊事が奇しくも分けられた 女の役目であったのは 不幸なこととは思われない、 そのために知識や、世間での地位が たちおくれたとしても おそくはない 私たちの前にあるものは 鍋とお釜と、燃える火と それらなつかしい器物の前で お芋や、肉を料理するように 深い思いをこめて 政治や経済や文学も勉強しよう、 それはおごりや栄達のためでなく 全部が 人間のために供せられるように 全部が愛情の対象あって励むように。 ーp21 私の前にある鍋とお釜と燃える火とより抜粋
(新装版)石垣りん詩集
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