
Ayako
@aya_rb
2025年3月22日

別れを告げない
ハン・ガン,
斎藤真理子
かつて読んだ
心に残る一節
「 その青年がおじさんだった確率はゼロではないよね。
インソンがささやくように言う。
今も坑道に残ると三○○○体の遺骨のどれもがそうなのと同じくらいに。
同意を求めるように、彼女がうなずいてみせる。
もちろん、こう考えることはできるよ、その人がおじさんだったら、その後何をしてでも島に帰ってきただろうって……だけど、絶対そうだって言えるだろうか? そんな地獄を生き延びた後でも、私たちが想像するような選択をする人間として、存在しつづけられるのか?」p266