別れを告げない

122件の記録
- はぐらうり@hagurauri-books2025年5月23日読み終わった先に解説を読んだほうが良い、とどこかで聞いたので解説から。すでに凄惨。簡単に感想を書けない本を読んでしまった。 まず、自分は隣国であるはずの韓国の歴史、とくに自分が生まれる前のことを知らない。これだけ凄惨な歴史も、しばらく隠されていたとはいえ、知らない。 いま観光地となっている地域、例えば沖縄の島々にしても、手付かず(だったり、急に開発されてリゾートになっていたりする)のところは、何かあったところなのは、考えればわかる。済州島も、同様。 史実に基づいている小説だが、全編をとおして観念的でもある。韓国を知らない自分にとっては、理解の及ばない部分も多くあった。それでも、描かれているところはわかる。 ノーベル賞は平和賞でなくとも、どことなくpeace的な人に送られている印象がある。だからハンガン氏であり、ボブディラン氏なのだと思う。日本の作家はあまりpeace的な人が多くないのかも。カズオ氏を読んでないのでわからないけどね。
- みなと@minato_2025年5月19日読み終わった"その後母さんが集めた資料はないの、三十四年間。 インソンの言葉を私は口の中で繰り返す。三十四年間。 ……軍部が退いて民間人が大統領になるまで。"
- もめん@nono_200008142025年5月6日プレゼントして貰ったずっと読みたかったハン・ガンさん。彼にプレゼントして貰った。読みたいと話したことを覚えていてくれてありがとう。 これも帯が本当に素敵だ。 いま生きる力を取り戻そうとする女性同士が、歴史に埋もれた人々の激烈な記憶と痛みを受け止め、未来へつなぐ再生の物語 普段日本の作家さんの本しか読まないと言っても過言でないぐらいなのだけれど、すごく惹かれるものがある。
- akamatie@matie2025年4月25日読み終わった済州島のジェノサイドを生き残った人とその影響を受けたこども世代の心情が、繊細に描かれている作品。心に寄り添う描写が心地よく、すっかりハン・ガンのファンに。 作家である主人公や、犠牲者の娘である友人の視点から描かれる残虐な行為や喪失による傷は、過去や異国の出来事ではなく、戦後を逞しく生きた世代の親を持つ私たちの中にもまだ続いている感覚を覚えた。 作者本人が愛を描いた作品と後書きに書いているのを見て、「別れを告げない」というタイトルは、ただ犠牲者や過去について歴史として書き残すだけではなくて、その記憶と共に生き続ける決意、語り継ぐことへの愛がふくまれているように感じた。
- うえの@uen02025年4月19日読み終わった歴史における虐殺やジェノサイドというテーマで書き続けようという意思と、その影響力をこの分野に使おうとする生き様に、ただただ圧倒されるし、尊敬の念を送りたくなる。 その力強さが、静かに私を見つめているような読了感。 そのピリッとした眼差しを忘れないで生きてゆけたら。 日本も無縁の話ではない。 あの戦争がもたらしたもの。あの戦争がなければ起きなかったこと。 そこに想いを馳せる時間にもなると思う。 加害の歴史を持つ国の立場として、その歴史を改めて実感する意味でも、読んで良かったと思う。 在日と呼ばれる人たちが存在する歴史のひとつでもある。 知ろうとすることが、何かをすこしでも解決することにつながると信じたい。 そして、ケアの物語でもあり、親から子・子から親の理解の物語でもあり、「この人の存在が私を生かした」という愛の物語でもある。 哀悼は終わらない。終わらせてはならない。
- もぐもぐ羊@sleep_sheep2025年4月3日買ったちょっと開いた積読今日は済州島4.3事件の日なので買ってから読めてないこの本を開きたい。 なんとなく覚悟が必要な気がして、実際の事件がどんなものだったのかを知るための本は読んだけど、その知識で物語を理解できるのか。 ハン・ガンのノーベル文学賞受賞でさらに読むハードルが上がってしまい悩ましい。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 訳者あとがきを読んだ。 斎藤真理子さんが19頁を割いて事件や時代背景について丁寧な解説を書いてくれていたお陰で本編に手をつけられそうな気がしてきた!
- ❄️@booksandhtm2025年4月3日読みたい話題にあがったこの日の日韓語学学習のクラスで扱ったテーマが「제주4.3」だった。私がこの人民蜂起•虐殺事件を知っているのは、ハン•ガンさんの作品で描かれていることをノーベル賞のタイミングで知ったから。でも作品を実際に読んだことがないので、はやめに読みたい。/ 夜、映画「スープとイデオロギー」をみた。
- 芋仁@imogine2025年4月3日かつて読んだ心に残る一節再読・読了学び続ける@ 自宅今日は #四・三事件 の日 #別れを告げない #ハン・ガン 🌿“このタイトルは〜「決して哀悼を終わらせないという決意」であり、「愛も哀悼も最後まで抱きしめていく決意」という意味なのだという。” (訳者・斎藤真理子さんあとがきより) 🌿軍命による箝口令の苦しさは聞かされてきた。忘れない。
- りら@lilas_lilacs2025年3月28日また読みたい美しく繊細な文章で綴られる済州島の凄惨な歴史と孤独と痛み。本を読むということは、知らなかったことを知り、記憶し、忘却に抗い、また、その記憶を過去から現在へ、さらには未来へ繋げるものでもある。それは、哀悼を終わりにしないという行為に似ていると思う
- Ayako@aya_rb2025年3月22日かつて読んだ心に残る一節「 その青年がおじさんだった確率はゼロではないよね。 インソンがささやくように言う。 今も坑道に残ると三○○○体の遺骨のどれもがそうなのと同じくらいに。 同意を求めるように、彼女がうなずいてみせる。 もちろん、こう考えることはできるよ、その人がおじさんだったら、その後何をしてでも島に帰ってきただろうって……だけど、絶対そうだって言えるだろうか? そんな地獄を生き延びた後でも、私たちが想像するような選択をする人間として、存在しつづけられるのか?」p266
- にわか読書家@niwakadokushoka2025年3月16日読み終わった@ 自宅重いテーマ、300頁超なのに、読めてしまう。 ハン・ガンを読むのは、これで5作目。 人それぞれに読むのに適した順番があると思う作家だが、不思議と、自分の状況に合う時・順番で読めていると思う。 積読していて良かった。
- 7235@_7_2_3_5_2025年3月14日読み終わった現在のなかなかな情勢下で読めてよかったなあとおもう小説でした。積もりつづける雪の冷たさや切断された指の患部に数分おきに針を刺す治療といった震えを伴う痛みが、過去の惨劇を直視するときに感じる慄きと響きあって、読んでいるじぶんも身震いしているかのような心地がしました。隠された、あるいは深く知られていない過去に、光を当てる、という言いかたをよくするとおもうのですが、訳者あとがきによるとハン・ガンは〈光がなければ光を作り出してでも進んでいくのが、書くという行為だと思う〉と言っているそうで、そういった作者の姿勢にも胸にぐっとくるものがありました。
- ゆの@uknowz2025年3月7日読み終わったかつて読んだ夢現を行き来するような物語にどっぷり浸かった。合わない人はとことん合わないだろうけどわたしは合うので幸いです。 ヤンヨンヒ監督の「スープとイデオロギー」を観て依頼、済州4.3にまつわる話はフィクションノンフィクション問わず見てきたけど、ハンガン作家の描きかた、痛々しく切実に迫ってきて幻肢痛のようだった。
- 雪餅@yuki3daifuku2025年3月3日読み終わった初ハン•ガン作品 痛いくらいの寒さを感じながら、何とか読み終えた これが事実な事もつい数十年前の出来事だという事も知らなくてただただ驚き 命を削って創られた作品って、こういう事なんだろうな
- hina@hina13f2024年11月24日読み終わった自らの責任によらず国が分断され、『少年が来る』を経てなお到達しない、民主化への凄惨な道のり。 題名にある通り、「痛み」は未だ過ぎ去り得ない。 別れを告げることすら許されないその事実に、わたしたちはどう向き合っていけるだろうか。