
Ryu
@dododokado
2026年5月27日
ユリイカ(2026 4(第58巻第4号))
一之瀬ちひろ,
在本彌生,
工藤順,
櫻井映子,
沼野充義,
渡辺泰子,
若木信吾
読んでる
「言い換えれば、独仏の色彩論が「見る主体」を中心に世界を再編したのに対し、チュルリョーニスは、その主体すらも宙づりにしたまま、光/色だけを先行させる。彼の作品全般に見られるように、光は誰のものでもなく、どこから来たのかも分からない。ただ発生し、その周囲に世界が仮構される。この点において、彼の光は、同時代の科学的色彩論を参照しつつも、それを芸術的に裏切るものとなっている。その裏切りこそが、チュルリョーニスの絵画を、印象派・新印象派、ポスト印象派とも、またドイツの感覚論的美学とも異なる、独立した位置へと押し出しているのである。」(加藤有希子「太陽でも月でもない光 チュルリョーニス、想像と病、近代の照明、正体不明の男」84)
「チュルリョーニスの光は、電気が近代にもたらした二重の意味──啓蒙と不安、合理性とオカルト的想像カ──を、象徴としてではなく、構造として絵画に定着させている。彼の画面に散在する発光は、夜が初めて人工的な光に侵食された時代の、人々の感覚の揺らぎを、静かに、しかし執拗に反復しているのである。」(同85)