いづみ "BUTTER" 2026年5月7日

いづみ
@izumi_3
2026年5月7日
BUTTER
BUTTER
柚木麻子
スコットランドに住んでいて、日本のアニメや食事について話しかけられることは幾度となくあったが、日本人著者の本が面白かったと話しかけられたのはこの本が初めてだった。 本を勧めてくれた彼女に、どういう点が印象的だったか訊いてみた。 まずは、日本人女性の暮らしについて。 若い女性が驚くほど狭い家に住んで、仕事は多忙。素晴らしく交通網が発達している。食文化も独特。確かに、バターが全く無い状況はスコットランドでは考えられない。 登場人物の「今」に焦点を当てている、記述方法も驚いたと言っていた。 とても興味が湧いたので、Kindleで読んでみることにした。もちろん私は日本語で。 コロナ禍に日本でOLをしていて、新婚だった私は私は里佳や怜子を自分に重ね合わせすぎて、苦しかった。彼女達は過去の私で、今も傷は癒えていない。 「一人だけでも頑張っていれば、亮ちゃんもその気になってくれるかと思ったの。私が妊活に夢中になればなるほど、彼は、その……。セックスがあるふりをしていれば、本当にあるようになるんじゃないかって……。噓をつき通せば今に全部本当になるんじゃないかって。」 私は、妊活は、暗く終わりのないトンネルだと思う。しかも、女性と男性が同じ道を歩むことは決してなく、心が重なることもない。妊活をやめたら夫婦仲が良くなったという事例が世の中には溢れている。 「自己管理できないようなタイプはあんまり好きじゃないんだ。もっとストイックだと思ってた。」 これは藤村が推しているアイドルを応援しなくなった時に言った台詞だが、これは自戒を込めて。私は体型管理もプロ意識の一部だと思っていたけれど、あまりに表面的すぎたのかもしれない。 最後に、本を勧めてくれた彼女は「これはハッピーエンドだったと思う?」と訊いた。 私は、そう思うと答えた。日本で、世代や境遇の違う人が関わり合える居場所を見つけることはとても難しいことだと思うから。 あなたはこの本をハッピーエンドだと思いますか?
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