
ぼぺにゃん
@bopenijan_1106
2026年5月27日

冬の犬 (新潮クレスト・ブックス)
アリステア・マクラウド,
中野恵津子
読みたい
池澤夏樹の評
アリステア・マクラウドの小説の中では、人生の素材が違う。今のぼくたちの日々はアルミとプラスチックだが、彼の世界では人は鉄と針葉樹と岩に囲まれて生きている。風が騒ぎ、死とセックスと労働は強い匂いを放ち、家畜の吐息が耳にかかる。氷雪に閉ざされた冬の、ゆっくりと過ぎる時間。
すべての話に、今はいなくなった気丈な人々への哀惜がつきまとっている。
つい20年前まで、人はこんな風に生きることができたのだ。


