
日々
@omu_rice_1999
2026年5月28日
帰れない探偵
柴崎友香
読み終わった
『帰れない探偵』 柴崎友香
あまりにも豊かだ…というのが読後の感想。
すごく好きな小説でした。
帰る場所を喪い世界を漂泊する探偵の「私」。
依頼人との会話や調査から浮かぶのは、変わることと変わらないもの、語られなかったこと、人の数だけある思い出とナラティブ。
主人公の「私」はどんな依頼も否定しないし、余計なことは言わない。依頼人のナラティブを壊さない。
だけど、言わなかったからといって無かったことにはならない。たしかにあったもの、そこに人生の痕跡が宿る。
だから過去の記憶に寄りかかって生きても、物に思いを託してもいい。
わたしたちはみな帰れない場所を夢見ながら、最後は自分自身に還っていくのかもしれない。

