memo "水車小屋のネネ" 2025年3月22日

memo
@winkmoon
2025年3月22日
水車小屋のネネ
水車小屋のネネ
津村記久子
デビュー作の『きみは永遠にそいつらより若い』は日常のふとした瞬間に突き刺さる悪意と、それに対してどうぶつかって折り合いをつけたりつけられなかったり、そうする必要すらもないと思ったりして、でも絶対に悪意をぶつけてくるあいつらより確かに「君は永遠にそいつらより若い」と言ってくれる本だった。それに対してこの『水車小屋のネネ』は「良心」がテーマの話だったように思う。みんなの良心をもらって育ったりさとりつの、その周囲の人々との交感が丁寧に描かれながら、津村作品といえば…感すらある「きみを侵害するおとな」とか「ロスジェネ(氷河期世代)」に加えて、今回は震災というキーワードが現れた。だけど、被災地をおそった様々な現象や被災した人々のエピソードとかが詳細に語られることはなくて、そういう出来事を安易に語らず、物語化して消費する方向には持っていかないというところは、津村記久子の作品の特徴であり信頼できる部分だと思う。だから自分は津村の本が好きで、ずっと読んでいたいと思うんだろうなーと今回もじっくり考えた、、いい本だった
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