水車小屋のネネ

11件の記録
- minira@rena840772025年5月9日読み終わった初めて読んだ作家さん。 登場人物の描写がリアルで、まるで現実にいるような知り合いのような錯覚に陥りました。 理佐と律の姉妹、その周りの人々の成長と旅立ちが微笑ましく、温かい気持ちになりました。
- memo@winkmoon2025年3月22日かつて読んだデビュー作の『きみは永遠にそいつらより若い』は日常のふとした瞬間に突き刺さる悪意と、それに対してどうぶつかって折り合いをつけたりつけられなかったり、そうする必要すらもないと思ったりして、でも絶対に悪意をぶつけてくるあいつらより確かに「君は永遠にそいつらより若い」と言ってくれる本だった。それに対してこの『水車小屋のネネ』は「良心」がテーマの話だったように思う。みんなの良心をもらって育ったりさとりつの、その周囲の人々との交感が丁寧に描かれながら、津村作品といえば…感すらある「きみを侵害するおとな」とか「ロスジェネ(氷河期世代)」に加えて、今回は震災というキーワードが現れた。だけど、被災地をおそった様々な現象や被災した人々のエピソードとかが詳細に語られることはなくて、そういう出来事を安易に語らず、物語化して消費する方向には持っていかないというところは、津村記久子の作品の特徴であり信頼できる部分だと思う。だから自分は津村の本が好きで、ずっと読んでいたいと思うんだろうなーと今回もじっくり考えた、、いい本だった