yomitaos "おまえレベルの話はしてない" 2026年5月29日

yomitaos
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@chsy7188
2026年5月29日
おまえレベルの話はしてない
スポーツの世界を憎んでいる。勝利に導いた努力が賞賛され、それが会社や学校でも援用され、まるでプロスポーツ選手のように考えて生きることの価値を疑わない。そういった人たちが見ているのは、メディアで取り上げられるような選手だけ。勝者の影に膨大な数の死者がおり、大抵の人はそちらに含められることは分かっているはず。なのに、その生存バイアスを見なかったことにする。そういった人間も、社会も大嫌いだ。 この小説は敗者の物語だ。夢を諦める。でも自分では諦めきれなくて、外部に諦める理由を見つけ出そうとしている人たちの話だ。うまく諦められ、社会で活躍することができた人も、一度夢見た姿を諦めきれずにうなされ続ける。そんな人の物語でもある。つまりは、有象無象の、私たち読者の物語でもある。 棋士と言えば、羽生善治や藤井聡太といった有名どころがメディアではよく取り上げられる。AIの文脈で、にわかにブームが起こったりもする。一握りの人しかプロにはなれないのに、学生生活〜20代の大半を将棋に費やさなければならない。失敗しても、誰も責任は取ってくれない。これはスポーツでも同じだが、私には地獄への道にしか思えない。 そんな地獄の中で育まれる青春が、この物語だ。私は少しも共感できないが、ここには確かに青春が描かれている。青春とは甘酸っぱいものではなく、苦々しくドロドロとした粘液のようなものであるという、本質をついているように思った。
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