
RIYO BOOKS
@riyo_books
2026年5月30日
盲目の梟
サーデク・ヘダーヤト,
中村公則
読み終わった
昔の人間の行動や思想、願望や習慣はこのお噺という手段を通じて、後世の人々に伝えられて来たのではあるまいか。このお噺は我々の生存にとって必須欠くべからざるものの一つなのではないか。幾千年となく、人類は同じようなことを喋り、同じようにセックスし、同じように子供じみた悩みを抱いてきたのだ。人間の一生というのは、始めから終わりまで一つの面白可笑しいお話、信じられないほど馬鹿馬鹿しいお噺にすぎないのではないか?私が今書いているのだって自分のお話なのではないか?ものを書くというのは、挫折した願望にとっての排け口であるにすぎない。所期の目的を達し得なかった願望、作家自らが受け継いだ知力の範囲内で抱かれた願望にとっての。



