
イマイメロ
@imymelo
2026年5月30日
8つの完璧な殺人
ピーター・スワンソン,
務台夏子
8つの完璧な殺人読んだ!
“他人の頭のなか、あるいは心のなかで何が起きているのか誰にもわからない”
マルコムのもとに訪れた捜査官は無関係に思えるいくつかの殺人事件が
小説に見立てた殺人
それもマルコムが書いたブログの〈完璧なる殺人8選〉のリストに基づかれたものではないかと話を持ちかけられ
そのリストが載せられたブログ記事に付けられたシェパード医師が残したコメントが
ある人物が犯人だと確信を持たせる
その記憶は決して他人には触れさせられないものであり
捜査官もまた何かを隠している
犯人は本にその犯罪を捧げている奇妙な執着が現実と虚構の垣根を崩していくこのシェパード医師というのはポワロのアクロイド殺しの語り手兼助手のキャラクターなのですが
8つの事件と特にアクロイド殺しのネタバレを食らうので
読む予定があるなら後に読んだほうがいいかも知れないです
この殺人方法の見立てがトリックの肝の部分を抑えて再現するというのがキーで
全編にわたって犯罪小説の固有名詞が沢山でてきたり
犯人の犯罪小説あるいは犯罪への執着とそしてマルコムへの執着が感じられて異様な雰囲気を持っているのがいいですよね
マルコム自身は特に優れた探偵ではないのですが
読書とそして自身へ向けられた感情が彼を
事件に近づけていくのが面白いです
読書はタイムマシンだとマルコムが語っていて
あの時どんな場所でどんな気持ちでこの小説を読んだかがふっと蘇る
昔書いた作者からの言葉でもあって
多くの過去からの因縁が積み重なって自分から見えるもの
他人にしかわからないことがこうして事件として表れてくる
犯罪小説への愛に溢れた作品でした
