
イマイメロ
@imymelo
ワシントン・ポーが好き
- 2026年10月3日
死者のあやまちアガサ・クリスティー,田村隆一読み終わった死者のあやまち読んだ! オリヴァ夫人が依頼されたちょっとした謎とき 嫌な気配を感じポワロを呼びつけることに 彼女が危惧していた直感通りに遺体役を演じていた少女が殺されてしまう 時を同じくして行方不明となった資産家の夫人が会うはずだった また従兄弟の青年 何故夫人は彼に怯えていたのか─? オリヴァ夫人が知らず知らずのうちに影響を与えられていた 周りの人達 不穏を感じる原因でもあり事件のヒントが隠れていて の直感と作家的な面白さを追求した彼女の推理とは一味違う 直感というものは頭の中で繋がってはいるが それがなんなのかわからないぼんやりしたなにかで決して侮れないものでその直感に幾度も惑わされて助けられてきたポワロとのやりとりがすごく楽しかったです そして今回のキーパーソンである屋敷の元女主人であるフォリアットの真実を隠しているのに ふとしたところで妙な態度だったり 行方不明となったハティがまた従兄弟を“あの男は人殺しをするのよ”と言い遺した理由 周りがハティ夫人は頭が足りないと口々に言うけれど 近しい人は態度が違ったり 人物像が人によって異なる姿だったり 様々な要素がピンときて解決に至るのが面白かったです - 2026年9月26日
西遊記事変馬伯庸,齊藤正高読み終わった西遊記事変読んだ! 玄奘の取経の旅に81の劫難を与える任を任された李長庚 西遊記の仕掛け人 天界の自作自演、マッチポンプの猿芝居を演じる中関管理職として 玄奘を成長させ 天界の不始末を隠蔽し 予算をやりくりし 上の無言の圧を汲みながら 派閥を三方丸く収める内に因果に巻き込まれていく─ 西遊記の裏側を描いたコメディミステリーなのですが 四方からの圧や予想外の方向に進み破綻する計画をどうにかこうにか 陰謀を巡らせ隠蔽し まとめ上げて全ての人が得になるように動く 言葉遊びによる責任逃れや外面は立派なことを言いながら手柄を独り占めしてきたりいやーな政治が渦巻く世界で精神が幼いが無頼でクール そして激情的な悟空がいかにしてこうなったかを紐解いていく 悟空に弟子になる身分を奪われたと告発する猿の六耳や 悟空の言葉の端々から伝わる何か黒い感情だったり すこしずつ何かがあった悟空の過去に迫っていきながらも関係ないと避けたがったりお役所体質的な出世の道 自身が送り込んだらなんか弟子になっちゃって八戒の連帯責任を負わされたり 西遊記あんまり詳しくないけど天界の自作自演だよね…これ みたいな玄奘に与えられた試練をやる側は大変なんだってほうに深掘りしたのが面白い やっぱり市政の人に迷惑かけてるので試練与えるなら旅じゃなくてよくね - 2026年9月19日
逃亡刑事 (PHP文芸文庫)中山七里読み終わった逃亡刑事読んだ! “県警のアマゾネス”と呼ばれた女傑刑事 高頭冴子は 児童養護施設から脱走してきた八歳の少年の証言により 警官殺しの犯人を確信するのだが 罠にかけられ容疑者として指名手配されてしまう 逃亡生活のなか貧困地区で外から見た警察の姿 ノンストップなアクションサスペンスでした “県警のアマゾネス”で大体こんなノリなんだなと掴めるのがいいね クールで無頼で勝ち気な彼女が 警察という組織を追われる逃亡犯、あるいは困窮した市民のように外からみることで 組織人であることや責任 これまでの態度を思い知っていくシーンが好き かなり漫画みたいなノリだったかも でもほんとにずっとヤクザと協力しながらなのがほんとに受け付けなかったので続刊は読まないかな… ヤクザをずっとクズといい続けながらも作品全体にダークヒーロー的なニュアンスがあるのがむかついたので 弱者を食い物にするカスなので ヤクザはクソですクソって作品内では言ってはいるけどずっと高頭がヤクザを脅しながら頼り続けるから まじでムカつくんだよね お前の正義感ってなんだよ ヤクザをまぁいい面も悪い面もあるよねみたいなこといい出す作品がめちゃくちゃ嫌いなんだよね ヤクザはカスです - 2026年9月8日
フォース・ウィング2-鉄炎の竜たちー 下レベッカ・ヤロス,原島文世読み終わったフォースウィング2下読んだ! 秘密を知る度に衝突するヴァイオレットとゼイデン 全ての根底にあった何かが崩れ去り 最大の秘密を知った最初の相手となったことによる信頼が生まれる 体制側の母を敵に回し 迫りくる敵と破れる結界 裏切り者たちが結びつき一つとなり新しい結界を嘘と真実と信頼と 嘘には守りたい気持ちも含まれている 真実には全てを壊す力がある そこから信頼を築きあげることができるのか お互い次第 ずっとモヤモヤしあってた(キスしてる時以外) ゼイデンとヴァイオレットの和解がよかったなー デインくんともいい距離感に戻れた裏切り者となったヴァイオレット達の新しい学校生活 ゼイデンの元婚約者のキャットが波乱を呼んだり 小隊メンバーと一緒に結界の謎を調べたり秘密ばかりだった上巻と比べて皆が正直にぶつかり合う 開放感があって でも戦争の足音が身近に迫り母からも離反してと足元の緊張感と一時の平和がいいね デインとゼイデンを対にしてるよなーって感じが更に強まってきたね ゼイデンが持っていた秘密と デインがしてきた態度と 似通った何かとしてきた行動で二人の違いが浮き彫りになったかな 更にダークに更にヴァイオレンスになってきて次はいよいよ最終巻クリフハンガー!が気になる - 2026年9月5日
フォース・ウィング2-鉄炎の竜たちー 上レベッカ・ヤロス,原島文世読み終わったフォースウィング2上巻読んだ! 「秘密は持っている人物が死ねば消え去る」 歴史の裏側 隠されてきた真実の一端を知ったヴァイオレット 隠してきたゼイデンを憎み 友人だったはずのデインからも脅迫され 話せない秘密を抱え友人達も遠ざけ始めてしまう 危機が足元に迫っている─ ゼイデンが許せない!という気持ちとそれでもあったら唇を重ね夢中になってしまう魔力 秘密を抱えることですこしずつゼイデンの気持ちを理解し始めていくのだけれど これまでの信頼が根底から崩れる真実と好意の狭間で揺れながらも きれない繋がりとめちゃくちゃロマンスでいいですよ 2年生となったヴァイオレット達 学校生活と言っても軍事学校なので 拷問の訓練や行軍の合同訓練などがあるのですがなかでも辛いのは 次々と死んでいく1年生の監督生でもあること あの時必死だった私たちと違い ただ見ていることしかできない そしてこの厳しい訓練をする意図も分かってきているので怒ることもできずに 自身が死を看取ったリアムの妹 ヴァイオレットを恨む子に リアムが遺した手紙を週に一度あげるという 生きがいと怒りを与えて 過酷な環境ならではの優しさと頭の良さが光るシーンだったり 拷問に耐え抜くタフネス(頭に浮かべるのはゼイデンの声)も見どころだった!まじでデインが嫌な奴かつ 手をかざされたら一発アウトの心覗き見レリック持ちな上に 学内のどこに暗殺者がいるかわからない!常に緊張感があるなかで ゼイデンの胸の中だけはそこが全てになり 全てを忘れるセーフスペース! ゼイデンも話したくても話せない状況でそれでも信じてくれというしかない 何かを隠す人をどうやってと思いながらもやっぱり絶対の信頼が底にあって 全てがゼイデンの胸のなかにある “俺が望んでいるときいつでもキスするとなれば、お互い唇をくっつけたまま生活することになるからな” ↑こういうこと言えちゃう人なのでゼイデンは - 2026年8月29日
木曜殺人クラブ 逸れた銃弾リチャード・オスマン,内山暁子,千海博美,水戸部功デザイン事務所,羽田詩津子,酒井貞道読み終わった木曜殺人クラブ 逸れた銃弾読んだ! 大掛かりな詐欺を追っていたベサニーが突如姿をくらまし 彼女の車が断崖の海底で見つかった未解決の事件 を追い始める木曜殺人クラブは共に働いていた司会者のマイクを見事協力者に… そしてエリザベスに殺人の依頼と脅迫のメールが送られるもう一つの事件が… やたらと出てくるメール 脅迫だったり通達だったり警告だったりが 謎めいた雰囲気あっていいね 殺害の依頼をされ脅されるエリザベスや 精神科医の経験を活かし容疑者と面談するイブラヒムだったり 視点がコロコロとかわりながら 知ってること知ってないこと 色んなヒントが散りばめられてて面白い個性的な殺害クラブのメンバーが各々の特性を活かしたりする調査のようないつもの楽しみ 今回は特にエリザベスのスパイなサスペンス要素だったりで キャラ小説的な要素もすごくいいよねこのシリーズ 些細な一言がそうそうここ覚えておこうと思ったんだよ!とかここ大事だったんだ!みたいなの楽しみがあるのもいいですね - 2026年8月22日
ホワイトハートの殺人クリス・チブナル,林啓恵読み終わったホワイトハートの殺人読んだ! 道の真ん中で見つかった 鹿の枝角がつけられた奇妙な遺体 小さな村のたった2つのパブの一つ〈ホワイトハート〉の店主が殺された事件 後ろめたい秘密を抱えた人々が集い飲み交流するパブで起きた 百年前の謎めいた事件 目撃者の少女 鹿 抱えたものが人を追い詰める 視点が次々と変化して ほぼすべての登場人物が何かを隠している描写が描かれていて 弱みにつけ入られ秘密が生まれて 秘密が人を追い詰める 秘密を暴く主役の刑事さんも蓋をしている気持ちがあって⋯ と暴いていくことで気持ちを解き放っていく 全体的にやっぱりパブの雰囲気がある小説でした - 2026年8月18日
ミッキー7 反物質ブルースエドワード・アシュトン,大谷真弓読み終わったミッキー7 反物質ブルース読んだ! ニヴルヘイムに入植し 使い捨て人間を辞めてから2年 コロニーは燃料難に陥っていた 解体して燃料にするため爆弾を回収することを命じられたミッキーは ムカデのような先住民に再びコンタクトをとるのだが敵対する集落に献上したと聞かされ 命がけのミッションへ─ ムカデ達のもつ〈最高〉と〈補助者〉という分類分け 意思を持つ持たないで区別しているわけでなく〈補助者〉がいて 〈最高〉の下に仕える 〈補助者〉のスピーカー 案内人であり交渉人の現地人と 友人のような関係を築いていくなかで 使い捨て人間だった自分が思い起こされるまたしても自己存在のドラマ確かに自分の意思で動き 思いも友情も打算も感じられるスピーカーが使い捨ての〈補助者〉 ミッキー達は〈補助者〉を差し出せと言われる度に 俺たちの種族は全てが〈最高〉だと主張する 〈最高〉と〈補助者〉 人間にとっては理解しがたい感覚であり現地人からすれば当たり前で じゃあ何が主で従なのか - 2026年8月9日
- 2026年8月1日
ハウスメイド3フリーダ・マクファデン,高橋知子読み終わったハウスメイド3読んだ! “だって、正直言ってわたしは運がいい人間じゃない” ミリーはエンツィオと結婚し二人の子もすっかり大きくなった 念願の新しい家に引っ越した家族だったのだが 夫にやたらとくっつく隣人のスゼットに、奇妙なメイド 感じる視線に不可解な家族達の行動 不審感が募っていく─ すっごく相性が悪く 見下すような言動を続けるスゼットと 警戒心が強く見張り続ける隣人のジャニス 落ち着きがなく暴力事件を度々起こすかと思えば無気力な姿を見せる息子ニコ スゼットの家に入り浸る夫と全てがなんか変!なのだが すこしずつそういうことがわかっていくのが楽しいです皮肉な言動を心の中にしまいながら鉄壁の仮面で穏やかな隣人を演じるミリーに共感しながら読めるのが面白いところで なんなんだよこれ…何が起きてんだよ…イライラって感じを ミリーの皮肉的な心の声が面白さに繋げてくれて 真相に繋がったらまた面白いんですよね 母親になってもミリーはタフな人だハウスメイドを雇う側(無理やり押し付けられたお金もないのに)になったミリーも 家庭の経済を気にしたり子供達を気にかけたり守る者達を意識する事が多くて変化と 変わらないところが見れるのもよかった シリーズものとして期待されるところをやりきった感じがあっていい完結編でした - 2026年7月25日
ヒッコリー・ロードの殺人アガサ・クリスティー,高橋豊読み終わったヒッコリーロードの殺人読んだ! ミス・レモンの姉から奇妙な盗難事件が相次ぐと聞かされたポワロは 寮に暮らす国際色あふれる学生達に話を聞き沢山の謎を残したまま一応の解決を見せるのだが 主犯の自殺を知らされ再び調査に乗り出すことに もつれあう人間関係と庇い合う友情によって殺意がうもれる─ 狭い人間関係と互いにお節介したがったり後から 考えてみたら怪しい行動をしていたと自覚する誰かを内々でかばったりする 優しい人達に紛れ込んだ犯人と犯罪 言われてみればそのとおりな犯人でした 皆若くて恋愛したり冒険したり軽犯罪ぐらいなら見逃される環境で閉じた空間 善意につけ込まれてる - 2026年7月18日
読み終わったレイクサイドストーリー読んだ! 元ホッケー選手のいとこブーム・ブームを亡くしたヴィク 船荷役として穀物会社で働いていた彼 流れる不穏な噂に 応えられなかった緊急メッセージ 彼が第二の人生を真剣に生きようとしていた痕跡を見つけ調査を開始するのだが 奇妙な事故死が相次いで起こり始めて─ 幾度も死にかけて 依頼人もなく そして事件である確証もない ただいとことの思い出と自らの未練に決着をつけるため 穀物会社が輸送する湖を車で徒歩で時には船に乗ったりしながら 陰謀に近づいていく ハードボイルドさが増して 謎解きとミステリも楽しかった ヴィクはタフすぎる ブーム・ブームの語られる人柄とヴィクとの思い出が この事件かどうかもわからない彼の死を追うヴィクの必死さとシンクロできる もしかしたら探偵の性で思い込んでいるだけなのでは?という心の声 負傷して弱るヴィク それでも全く折れる気配がないどころが病院を抜け出そうとするのだから恐ろしい 気力と根気とハッタリで事件を追うヴィクの力強さが好き なんかすごい規模がでかく 個人にはどうすることもできない陰謀をたった1人で追い詰めてしまうのがヒーロー的でいいよね 身勝手さや高慢さにもいちいち口挟んで噛み付いてくれるし こういうところがいいよね - 2026年7月11日
パン焼き魔法のモーナ、街を救うT・キングフィッシャー,原島文世読み終わったパン焼き魔法のモーナ、街を救う読んだ! パン屋に死んだ女の子がいた 事件をきっかけにモーナは命を狙われ始める 指名手配され 魔法使いを密告するポスターまで 逃げた先で知ったのは誰も魔法使いのために立ち上がらなかったってこと パンを焼きたかっただけのモーナは英雄に仕立て上げられていく─ 皆が失敗したり手を挙げなかったりしたせいで 英雄にならざるを得なかったモーナ 魔法が使えるといってもパンに呼びかけて命令に従わせられるというだけのもの これまで反感を持っていた人もいただろうが 魔法使いに優しい街だったのが 邪悪な企みと無関心が追い詰めそしてまた英雄として利用される 市民的気質と英雄的素質を併せ持ったモーナ パンを作っていたかっただけの彼女に街を救わせてしまった 政治の世界に足を踏み入れ 見過ごせなくなっていく気持ち パンの魔法を少しずつ応用し魔法とは何か知っていくのも楽しかったり モーナが好きなだけパンを焼き続けられる国であってほしいね ちょっとダークな児童書で 日常に溶け込んだ何でもない魔法の世界観と モーナの小市民的な愚痴ったり 常連さん達に好かれ 政府に楯突くなんて思いもせず パンを焼いて暮らしてきた少女に共感しながら読めた - 2026年7月4日
実践魔術論Hieros Phoenix読み終わった実践魔術論読んだ! アレイスター・クロウリーが遺したカバラの法 日常を遠ざけ非日常へ 起きたまま夢を見て自身の中の無意識へ旅立ち 己を知り宇宙を知るスピリットヴィジョンのやり方を学ぶ本でした! 沢山の神やアイコンが持つ共通性の中に己を見いだし 己の中に神を見出すことができるのでは? 夢という無意識のなかにこそ神が宿っていて それが瞑想であり自身との対話なのかな 荒唐無稽に見える魔術儀式にも意味があって理論があって 理解することと理解しないでただ身を委ねること 不思議な世界だなと思いました 実践するのはちょっと難しいかも 本物の魔術師の人が書いているので資料もしっかりしていて本物の魔術本だ…!? アスリートが行うメンタルトレーニング、頭の中で弾くピアノ そうした現実に基づいた創造的な非現実が 現実に影響を与えて頭の中と世界と体と宇宙は繋がっている 創造力と無意識が魔術の鍵 - 2026年6月20日
真犯人はこの列車のなかにいるベンジャミン・スティーヴンソン,富永和子読み終わった「真犯人はこの列車のなかにいる」読んだ! “犯人の名前はここから135回出てくることを前もって知らせておこう” アーニーが実際に体験した事件の回顧録 ブックフェス鉄道ツアーに招待された7人の作家 そのうち無事に降り立つのは5人 死体の数は九 信頼できる語り手が紡ぐ最高にフェアな謎解き小説─ 生き残ってしまったことにより傷を負ったアーニーの物語であることが強調され 自身の身に起こった残酷な事件を元に書いた小説がヒットし 自身の感じる居心地の悪さを才能を見せることで 罪悪感と向き合おうとしている 残ったもの残されたものや罪 様々な気持ちが事件と結びつくドラマがよかった! ネタバレ込みであり 自身の感情やいたたまれない状況を包み隠さずつたえ 読書を裏切らない信頼できる語り手であることがこのシリーズの特徴なのですが[ミスリードしてると言えなくもないが(嘘は言ってないみたいな感じはやる)] プロット通りに進む事件と小説のようにはいかない展開と 一人ひとりが自分の感情から発した言葉で違和感があるセリフや 少し奇妙だったりすることにも背景が見えてくるとちゃんと意味を持っていて フェアなミステリを名乗るだけのことはあります 我が強く主張したがりな作家探偵達とアーニーの物語 それぞれの伝えたい物語がある - 2026年6月15日
葬儀を終えてアガサ・クリスティー読み終わった「葬儀を終えて」読んだ! “だって、リチャードは殺されたんでしょ?” リチャードの遺書を弁護士が読み上げている場で放たれた末妹コーラの一言に 遺族は慌てふためく リチャードの病死に不審な点は見られないのだが その後コーラが手斧で惨殺され彼女の遺した言葉が現実味を帯び始める─ 真相にびっくりしたけど 各シーン読み返したらやっぱり奴が犯人だと指し示してて悔しい 僕が間違ってました このコーラの一言がとても象徴的でここから事件が始まり ここに事件が収束する綺麗なミステリーでした ポワロはあまり走り回らずに介入も少なく 漏らさせた最低限の情報で解いていてクール - 2026年6月6日
社会を変えるには小熊英二読み終わった社会を変えるには読んだ! 社会の変遷を社会の捉え方を通じて新しい“われわれ”を 我々の怒りを汲み取り代弁してくれるもの 「私も蔑ろにされている」という共感を呼び出すなにか 変わってほしい何かを訴える ロビーイングもデモも楽しく参加したいと思えるものなら人を変え社会を変えられるのかも…? 議論を尽くし参加をしたという実感があればきっと納得感も増すはず 私達の代表者を送り込んできたという間接民主主義は 時代を経て自由意志が強まった社会ではそうした意識が弱まり 代表者を失った今 自分が心から思う何かを人を巻き込み訴えることで社会を変えられる力を持つことができるのかも 時代が何を求めているか 自分は何が変わって欲しいのか この国はどんな歴史を辿ってこの社会が出来上がったのか どう言えば人に伝わるのか まずは自分が楽しみ意見を交換できる場を作ること われわれが当事者であるという認識を持てるなにかが社会を変える原動力 - 2026年5月30日
8つの完璧な殺人ピーター・スワンソン,務台夏子8つの完璧な殺人読んだ! “他人の頭のなか、あるいは心のなかで何が起きているのか誰にもわからない” マルコムのもとに訪れた捜査官は無関係に思えるいくつかの殺人事件が 小説に見立てた殺人 それもマルコムが書いたブログの〈完璧なる殺人8選〉のリストに基づかれたものではないかと話を持ちかけられ そのリストが載せられたブログ記事に付けられたシェパード医師が残したコメントが ある人物が犯人だと確信を持たせる その記憶は決して他人には触れさせられないものであり 捜査官もまた何かを隠している 犯人は本にその犯罪を捧げている奇妙な執着が現実と虚構の垣根を崩していくこのシェパード医師というのはポワロのアクロイド殺しの語り手兼助手のキャラクターなのですが 8つの事件と特にアクロイド殺しのネタバレを食らうので 読む予定があるなら後に読んだほうがいいかも知れないです この殺人方法の見立てがトリックの肝の部分を抑えて再現するというのがキーで 全編にわたって犯罪小説の固有名詞が沢山でてきたり 犯人の犯罪小説あるいは犯罪への執着とそしてマルコムへの執着が感じられて異様な雰囲気を持っているのがいいですよね マルコム自身は特に優れた探偵ではないのですが 読書とそして自身へ向けられた感情が彼を 事件に近づけていくのが面白いです 読書はタイムマシンだとマルコムが語っていて あの時どんな場所でどんな気持ちでこの小説を読んだかがふっと蘇る 昔書いた作者からの言葉でもあって 多くの過去からの因縁が積み重なって自分から見えるもの 他人にしかわからないことがこうして事件として表れてくる 犯罪小説への愛に溢れた作品でした - 2026年5月16日
ミッキー7エドワード・アシュトン,大谷真弓読み終わったミッキー7読んだ! “いままでで、いちばん、間抜けな、死” 余所見で落下したミッキー7は氷の割れ目のなかで寒さに震えていた 使い捨ての何度も蘇る体 ここで死んでもミッキー8として目覚めると知りながらも それが自分なのか確信が持てない彼は何とか生還するのだが すでにミッキー8が目覚めていた─ どちらかがいなくなれば 問題は解決するのだがもう一人の自分であり培養液から蘇ったばかりの最悪な気持ちがわかり なにより自分を見殺しにできないし なによりクローン人間として命がけの任務をやらされる立場なのでどちらかがいずれは…という考えのもと 共に生きていくことにするのだけど2については記憶バックアップする前に死んでしまったので一切引き継がれてなかったり “テセウスの船”が引用されるのですがクローンと自己同一性の話でしたねー ミッキーが歴史好きというのもあり人類離散の経緯から開拓時代の悲惨な失敗だったり 人類の愚かさは変わらないけれど引き継いでいくことが今を作っているんだなと思えるしそれがまたミッキーの境遇とも重なるよね 7と8で少ない食料を分け合いながらも互いに文句を言い合う自分同士で自分じゃない二人 自分をどうせ蘇ると見捨てたベルトと友人でいられるミッキー そういうやつと受け入れることと 自分達の住みよい環境にテラフォーミングする力強く生きる人類と ミッキーのあり方に迷う姿とで色々現代とも通じるSFで面白かったです 映画になってるぽいから見てみようかな - 2026年5月9日
冒険者カールの地球ダンジョン 1マット・ディニマン,中原尚哉読み終わった冒険者カールの地球ダンジョン1 宇宙人襲来!飼い猫とダンジョンに放り込まれたんだが?読んだ! 凍えるような夜 猫を救出するため外に出ていたカールは家を潰され イカれたサディスト宇宙人主催のダンジョンに挑むことに クロックスとトランクスそして元恋人の猫とともに まずは履くズボンを求めて─ ダンジョンRPGの面白さをそのまま小説にしたような楽しさがある作品で 大半の地球人が死んだか参加したかのどちらかなので あらゆる人が参加していて人間性を失えないですね 地球文化の下調べもバッチリでゲームのようにでてくる解説文は文化に即したユーモアたっぷり 絶妙にイラッとさせられます 飼い猫のドーナツプリンセスが気ままで愛らしく生意気で気位が高い! アイテムによる力で話せるようになるのですが 大口を叩きながらもカールに不安を見せたりほっとけないかわいいねぇ 猫が一番優れているからほかの種族にクラスチェンジしないと言ってるのもいいね “ヒト”になってたら読むのやめてた 知恵と工夫と人生経験で作戦を立てて戦うのもD&D(作中で言及されてる)みたいで楽しいが 定期的にこれは現在の地球で地球人はこの命がけな探索を イカれたサディストの宇宙人の娯楽のためにやらされてるんですよー!ってアピールしてくる こういう悪趣味さと必死さがあるのが好きです
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