
いちのべ
@ichinobe3
2026年5月30日

人類学者が教える性の授業
奥野克巳
読み終わった
社会生活とセックスが結びついており、性行為の4分の3は生殖とは無関係というボノボの社会が印象的。
> つまり、ボノボの全方位的セックスとは、いつ果てるとも知れぬ乱交パーティーのようなものではないのです。ドゥ・ヴァールは「親密な性的接触をスパイスのようにまぶした社会生活」と表現しています。(p119)
ボノボのメスは複数のオスと交わることで、誰が父親かを判別できなくし、子殺しを回避しているとも解釈できるという。
人間社会とは全く異なるアプローチで、ボノボはボノボなりの平和(これも人間目線の概念ではあるが)を実現しているように感じられて、興味深かった。
そして、女性が妊娠中に複数の愛人とセックスすることを推奨される社会、生殖とセックスが結びついていないと解釈される社会など、人間社会における多様なセックスの在り方を示されることにより、自分が生きるこの社会で「当たり前」とされているセックスの在り方もまた、多様な人類のセックスのうちのひとつでしかないんだな〜!と相対化できたのも良かった。
もっと若いとき、この社会で「当たり前」ではないセクシュアリティを持つことに今より悩んでいたとき、この本に出会えていたら!そう思える本との出会いは幸せなことだ。
また、女子割礼/女性器切除の話題から文化相対主義と普遍主義への言及、そして多自然主義へと展開されていたのも、その方面に明るくないため学びがあった。


