紫香楽 "ハンチバック" 2026年5月30日

紫香楽
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@sgrk
2026年5月30日
ハンチバック
ハンチバック
市川沙央
強い小説だった。 最近読んだ「続堕落論」で坂口安吾が、制度は網で人は網の目をすり抜ける、制度は人間に復讐される、網の目をすり抜けた人を掬うのが文学、といった話をしていたんだけど、正に網の目をすり抜けている人の話を描いた文学だと思う。 こうやってマイノリティが強く声を上げて、賞を取って権威を持って叫ばないと聞く耳も持たない社会でほんとムカつくよなという気持ちと、(私自身障害者ではありフルタイムで働けない人間ではあるのだが、言うてマジョリティとしてめちゃくちゃ健常に暮らしているため)こんな社会ですまねえという気持ち両方ある。 変えて行きてえよな……! 主人公は実際田中に失礼な向き合い方をしたわけで、そういう意味で田中に殺された結末は報いとも言えるのかもしれないが、人に失礼な態度を取って生き続けている健常者はたくさんいるし、最初に無礼な態度を向けたのは田中だし、主人公が死ぬ結末なのはやるせなかった…… そして田中の妹が風俗エンドというのも社会的弱者の輪廻みたいな…… 主人公の望んだのはこういうことだが?と突きつけるエンドであると共に、そんなものすら望むことも難しい主人公の対比が…… 四万字台でこれって強いな〜〜〜 すごいな〜〜〜
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