tsubaki_fuyunohana "不死の島へ" 2026年5月16日

不死の島へ
不死の島へ
クリストファー・プリースト,
古沢嘉通
とても不思議な小説。小説にしかできないことをしていて、読むこと自体がとても楽しい体験になった。 最初は、主人公の情けなさに自分を見ているようでなんともいえない気持ちになったけど、物語内物語だとわかったあたりから俄然引き込まれた。主人公の情けなさは変わらないんだけど、でも、二つの世界がお互いに何度も反転していくあたりが物語に緊張感を与えていて、それを安易にホラーにせず描き続ける胆力がすごかった。 最後までいっても、安易なジャンル分けを拒否する不思議さが残っていて、それが奇妙な魅力に繋がっている。 個人的に物語内物語、作品内作品みたいな構造がすごく好きで、これはそれをさらにひねってくれるので、楽しい小説だった。主人公にあんまりヒーロー性がないのに、最後まで惹きつけるのは、さすがの筆力ですね。
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