玉丹羽読夢之助 "正欲" 2026年5月31日

正欲
正欲
朝井リョウ
人から理解されない性的指向をもつ夏月。自身を少数派と思いながらも多数派の立場で語る八重子。正しさにとらわれ、無理解を繰り返し葛藤する啓喜。性欲の形を軸に多数派と少数派それぞれの視点から世界を見る。少数派が理解されない苦しみを抱えながらも仲間と小さな正しさを手に入れようとする様子は美しかった。多数派がそれを理解できない、しようとしない愚かさも多数派であり続けることの苦労も感じた。多くのことを考え感じたから終わり方が苦しい。 あらすじの「読む前の自分には戻れない」というのは本当だと思う。これからの人生のあらゆる場面で正欲を思い出す。それは苦痛を伴うことも多いだろう。それでも読まなければよかったとは思えない。 正欲に振り回される人々の中で正欲について見逃さず、考え、話す、私にできる正しさをいつも反芻して考えなくてはならないのだろうか。 この投稿さえも。
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