
余白
@ruisui
2026年5月31日
野菊の墓
伊藤左千夫
読み終わった
北村薫さんの『秋の花』を読んでいなければ、絶対に手に取ることがなかった本。
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もう十年余も過去った昔のことであるから、細かい事実は多く覚えて居ないけれど、心持だけは今なお昨日の如く、その時の事を考えると、全く当時の心持に立ち返って、涙が留めどなく湧くのである。悲しくもあり楽しくもありというようなありさまで、忘れようと思う事もないではないが、むしろ繰り返し繰り返し、考えては、夢幻的の興味を貪って居る事が多い
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政夫視点で、物語は進みます。
民子との無邪気なやりとり、意識するようになる情景、2人で見る山の風景の瑞々しさ。
と、いうかこれ政夫の母親が悪い。
2人に互いを意識させたのもこの母親で、2人で会う事に罪悪感持たせたのもこの母親で、2人の仲を引き裂いたのもこの母親で…
一応しおらしく反省して政夫に泣いて謝ってるけど、政夫も赦してるんやだけど、でも、その後、「余儀なき結婚して長らえている」政夫にずっと民子さんを残してしまった(「幽明遥けく隔つとも僕の心は一日も民子の上を去らぬ」)のも、やっぱりこの母親なんじゃないのか。
政夫の今の配偶者が可哀想やん。
時代を感じさせる「悲恋」物でした。


