Unununium "俺たちの箱根駅伝 下" 2026年5月31日

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@Unununium_111
2026年5月31日
俺たちの箱根駅伝 下
何かを全力で頑張ったことのある方にはぜひ読んでもらいたい作品! 記録が残らない寄せ集めチームが、チーム間の摩擦や外部からの嘲笑を乗り越え、純粋な目的で箱根駅伝の上位を目指して行く姿に、自分の学生時代取り組んだ部活動のことを思い出して胸が熱くなった。 各選手の背景や苦しい中でタスキを繋ぐ姿に、何度もウルッとさせられた。 今まで箱根駅伝を見たことがなかったが、こんなに熱い物語があるのかと来年に向けて興味が湧いてきた。 作中ではテレビ番組としての箱根駅伝をつくるテレビマン達の視点も見どころであり、ジャーナリストの視点で情熱を持って取り組んでいる方もいるんだと感じ、フィクションとは分かっているが、マスコミに対する印象が少しだけ変わった。 上巻の感想でも書いたが、読みやすい文章なのに硬めで綺麗な言葉が適切に散りばめられていて、状況や心理描写が丁寧に描かれている点が本当に素晴らしいと思う。まるで漫画やドラマを見てるように軽くスムーズに読めるのに綺麗な日本語にも触れられる作品というのはなかなか出会えないため、他の池井戸潤作品も読みたくなった! 一方で、映像作品を見てるようなので深い読書体験を期待してる方には向かないようにも感じる。 私自身、通常読書中はお風呂や寝る前などふとした瞬間にその本の世界のことを考えてしまったり、登場人物にシンクロして一緒に思い悩んだりすることがあるのだが、本作品ではそのようなことはなく、映像作品を見たときのようにその場限りの感情移入しか体験できなかった。 重くなりすぎずに軽く読めるエンタメ小説として最高だと思うので、その時の気分に合わせて手に取ってみて欲しい。 また、個人的には「弱虫ペダル」が好きな方にもオススメしたい。 過酷な長距離をボトルやタスキ等のチームメイトの想いで繋ぐリレー形式の団体戦であり、平地や山での駆け引きなど競技内容からの共通点はもちろん、ユニークなキャラクターを持つ選手が多数おり、各選手の背景や想い、心理描写も描かれている点も類似しているので同じように楽しめると思う。 【以下、本文中の文章記載のため注意】 下巻は特に刺さる言葉が多かったが、浩太の… 『たしかに―世の中には実を結ばない努力もあるだろう。だが、何も生まない努力なんかない―。』 …が堪らなく刺さった。部活動もそうだったが、これまでの人生で、努力が実を結んだことなんて一つあるかないかくらいで、まわり道ばかりの要領が悪い人生だなっと感じることが多かったため、今までの人生を肯定してもらえたように感じて泣けてきた。 隼斗の『これは―これは、俺たちの箱根駅伝だ。』のセリフも、言おうとして言えなかったところも含めて、作品のタイトルがここでくるのか!と感動した。
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