土井陽音 "熱帯" 2026年5月31日

土井陽音
@haruto_doi
2026年5月31日
熱帯
熱帯
森見登美彦
佐山尚一の熱帯は最後まで読むことができない。京都の東山にある古本屋で手にした熱帯は、ある日突然姿を消した。続きが気になって国立国会図書館などあらゆる手を駆使して探したが、どこにも見つからなかった。しかし、思わぬ場所で目にすることになる。各々が謎を持ち寄る沈黙読書会に参加して際に、とある女性がその熱帯を持っていた。話はそこから、その女性視点に移る。模型屋?で働く彼女は、ある常連客から熱帯についての話を聞く。彼女は以前に熱帯を読んだことがあった。そのことを話すと、熱帯について研究しているという楽団に誘われた。楽団には、熱帯を読んだことがある人が集まっているが、最後まで読んだことのある人はいない。それぞれが断片的に記憶していることを打ち明け、熱帯を補完しようと模索している。その結果、京都にヒントがあると京都に旅立った。話はそこから、常連の男性が書いた日記という体で始まる。彼は、京都で千一夜物語を置いている謎の古本屋や、バーで熱帯についてヒントを与えてくれる女性との出会い、骨董屋、進々堂での出会い、美術館など、様々な経験をするが、それら全ては、骨董屋にあるカードボックスにすでに書かれていた。そして、未来のことすらも記録されていた。その記録通りに行動すると、千一夜物語に関連する本しか置かれていない読書部屋で姿を消す。気づけば、とある島に打ち上げ理れていた。そこから、物語は熱帯の世界観に飲まれる。創造の魔術によって、世界を作り変えられる魔王とそれを倒そうとする海賊。様々なストーリーがあるが、それらの経験を踏まえて、主人公は熱帯を描いた。いつしか自分は、佐山尚一だと気づく。現代に戻ると、佐山尚一視点の36年前としてこの小説は終わる。 全体を通して千一夜物語の幻の一話。という世界観のもと描かれており、主人公は存在せず、語り継いでいくことによってストーリーが完結していく。 複雑な入れ子構造。難解なストーリー。不思議な読後感。衝撃的な一冊。 京都にいる時に読めて良かった。 中井書房も偶然行ったことがある 10年後にもう一回読みたいと思える本。 かなり重みのある本だけど、一気に読みきらないと置いていかれるので、時間がある時におすすめ
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