
naoking
@morgen0655
2026年5月31日
密やかな結晶 新装版
小川洋子
読み終わった
ある島の人々が少しずつ記憶を消失していくという設定で、記憶をなくすとそのものを認識できなくなってしまう。自分の大事なものすら忘れてしまい、最後には自分自身すら認識できなくなる結末はあまりに切ない。
ただ、自分にとって無関係なことではなく、現実世界で人種や文化が迫害や規制によって世間から注目を集めないまま消されていくことに対して作者は継承を鳴らしているのだと思う。
R氏のように例外的に記憶を維持できる人にとっては、人々が記憶を失っていくことよりも、それに慣れて平然の過ごしていることの方が辛いだろうなと思った。
手からポロポロと大事なものが溢れて落ちていくような感じがして読んでいてとても辛いけど、大事なものはしっかりと心の奥にしまっておこうと思える素敵な作品だった。


