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@blue-red
2025年3月22日

レトリック感覚
佐藤信夫
再読した
一見固そうな書名、表紙、レーベル名だが、語り口はとても優しく、学問的知見を見通しよく説明してくれる名著。それでいて著者の信念のようなレトリック観もしっかり語られ、それらもとても説得的だ。言葉の表現に何かしらでも向き合った人ならば、つまりほとんど誰でも、得るものがあり得ると思う
なによりも著者によって小説や詩から解説用に選ばれた用例文が魅力的で、作家ってスゲー、言葉ってオモロー、とうなってしまった。「レトリックのことばのあやは一般に、名状しがたいものを名状せざるをえない、という欲求にこたえるための、やむをえない手法」と著者は言うが、自分はそこまで「欲求」を持って生きてきただろうかと自問する

