レトリック感覚
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読書猫@bookcat2026年2月10日読み終わった(本文抜粋) “ふだん文章に接するとき、人は決して言葉の模様を《観察する》のではなく、たいていは無心に《読む》。けれども、知らず識らず、私たちはそのことばづかいによって、快感をおぼえたり、退屈したり、ときには反感をいだいたりする。そこにレトリックがある。” “ゆうべ、あなたひとり《だけ》が、たった一回《しか》体験しなかったことがらには、名まえがついていない。” “ことばは思考の衣装ではなく思考の肉体そのものである、と言う中村雄二郎は、哲学の知に新しい活力を与えよみがえらせるためには、ことばにイメージをとりもどすことが必要だと主張する。” “あっさり「雪」と言ってもよさそうなところを、わざわざ「白いもの」と言う。筆者はちょっと気取ってみたかったのか。いくぶんかは、そうだろう。 しかし、この文のなかでは「雪」より「白いもの」のほうがいっそう正確だったのだ。” “数にかぎりのあることばをたよりにしてかぎりない事象に対処しなければならない、言語の宿命が比喩を必要とする……とは、これまでもくどいほど強調してきた事実だが、そのための人々のさまざまの工夫がつもりつもって、辞書のなかの単語たちは、すこぶる弾力的な意味のひろがりをもっている。” “「うれしい」と言うとき、人はたんにうれしいのであろう。それに対して、 「かなしくはない」と言う表現は、うれしさのかたわらに、存在しないかなしみの映像を成立させる。”
blue-red@blue-red2025年3月22日再読した言語学講談社学術文庫一見固そうな書名、表紙、レーベル名だが、語り口はとても優しく、学問的知見を見通しよく説明してくれる名著。それでいて著者の信念のようなレトリック観もしっかり語られ、それらもとても説得的だ。言葉の表現に何かしらでも向き合った人ならば、つまりほとんど誰でも、得るものがあり得ると思う なによりも著者によって小説や詩から解説用に選ばれた用例文が魅力的で、作家ってスゲー、言葉ってオモロー、とうなってしまった。「レトリックのことばのあやは一般に、名状しがたいものを名状せざるをえない、という欲求にこたえるための、やむをえない手法」と著者は言うが、自分はそこまで「欲求」を持って生きてきただろうかと自問する












