amy "日の名残り" 2026年6月1日

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@note_1581
2026年6月1日
日の名残り
日の名残り
カズオ・イシグロ,
土屋政雄
読みました。カズオ・イシグロの『日の名残り』 いやー、おもしろすぎる。さすがノーベル文学賞受賞。そしてめっっっちゃ日本人っぽい。カズオ・イシグロはほぼイギリスで生活してきた人なので、軽率に日本の作家扱いはできないのだと思うけれども。 主人公であり、長年あるイギリス貴族に仕えていた執事(作中の時間ではアメリカ人に仕えている)のスティーブンスの一人称回想録形式で書かれている。 スティーブンスは淡々と過去のことを回想しているが、語り手自身が自分の感情や過去を無意識に歪めて語っており、読み進めていくうちにその歪みに気づく、というものなのだが、なかなかに恐怖体験だった。 スティーブンスの執事としての信念が語られていくのだが、それは徹底的に主人に尽くすことであり、徹底的に自我を持たないということでもある。 読んでいくとスティーブンスの自我の希薄さがよりわかる場面があるのだが、全然話が噛み合っておらず読んでいてゾッとした。 何かを強く信仰し、その信仰対象がすべてよきにはからってくれる、だから自分はそれを信じて遂行することが一番で自分の意思や欲望などはふさわしくない、そういうスタンスが非常に日本人の労働観や政治観に通じるものがあり、いまのタイミングで読んでいてずっしりと沈み込むようであった。 それはそれとして私はイギリスの貴族や田舎や自然の描写がかなり好きなので、そういうのをたっぷりと摂取できたという意味ではお気に入りの1冊になった。 ちょうどNHK BSでアンソニー・ホプキンス主演で実写化した映画が放送されていたため、それも合わせて見たので脳内での映像が再現しやすかった。
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