たま子 "先人は遅れてくる" 2026年5月31日

たま子
たま子
@tama_co_co
2026年5月31日
先人は遅れてくる
大阪から広島へ行く道中『パリのガイドブックで東京の街を闊歩する③先人は遅れてくる』を読む。このシリーズはタイトルからしてどこでどのように読んでもいいかんじがして、というか何が何だかどこに向かうのか分からなくなるかんじがよくて、旅のお供によく選ぶ気がする。読みながら、朝食にスピナッチを食べる。昨日はじめて食べてあまりに美味しかったので追加で買って帰ったのだ。そもそも大すきな胡麻がパンに練り込まれている。たびたび健康診断で「鉄分が不足していますよ前にも言いましたよね?対策は?」と叱られるので、おいしくほうれん草が大量に食べられるのがうれしい。さらに、すきな野菜?ランキングでベスト3にきのこを上げるくらいきのこがすきなので、そのすべてが含まれているスピナッチがすきなのは必然のことだよねと思う。そうこうするうちに新幹線は広島駅に着き、待ち合わせの本川町まで広島電鉄に乗る。めずらしく待ち合わせの30分前に着きそうで、しかも本川町のとなりの駅が原爆ドーム前ということを知り、昨日読み終わった『囚人のジレンマ』でエディ・シニアが苦しみ続けた原爆という存在を、それが放たれた場を、このタイミングで見に行くべきなのではないか……という想いに後押しされて目的地の一駅手前で降り、外国人観光客のツアーや小さなデモ集団に紛れながら、原爆ドームをただじっと眺めた。周辺環境があまりにきれいでもはや現実味がなく、でも確かにこの場所なのだと思うと、きもちのバランスがうまく取れない。エディ・シニアのことを考えていた。そのあと石垣りんの詩についても。川沿いでタクシーが止まり、出てきた運転手のおじさんに鳥たちが舞い降りてきて餌をもらう瞬間を見る。行きの広電で欧米人男性が若い日本人女性2人に席をゆずる瞬間を思い出す。それらの一見取るに足らない、でも忘れたくない瞬間をこの光景とセットで思い出すのだろうという予感がした。そこから歩いて5分ほどの料理屋で山口と広島と大阪に住む友人たちと合流し、ちらし寿司を食べる。そのあとREADAN DEAT書店のドアの前まで行くも臨時休業。友人のおすすめのカヌレ屋でカヌレを8つ買い、薄暗くて居心地のいいカフェでフルーツティーを飲み、広島現代美術館へ行き、フィンランドとサウナの関係を紐解く特別展と、コレクション展を順に見る。極端に暑いのも冷たいのも苦手なのでこれまでサウナに触れずに生きてきたけど、単なる入浴施設にとどまらないフィンランド人にとっての神聖なサウナという存在に興味をもつ。森の中や川沿いの自然に溶け込んだサウナに入り、そのあとサウナの余熱でおかゆや煮込み料理などを作って涼みながら食べる料理やビールは格別だろう。コレクション展の現代アートの数々も見応えがあり、最後、螺旋階段を降りた先にある照明の暗い部屋の展示テーマは「存在と記憶」。不在の痕跡、生と死、暴力と抑圧の構造が可視化される緊張感ある空間は、カタカナで書かれた「ヒロシマ」の記憶と重なる。第二次世界大戦で亡くなった174人のスイス人の顔がずらりと並ぶ作品の前で思わず目を逸らしてしまった。見なければいけないものを前にすると怯えきってしまう。これまでも広島に来るたび頭によぎり向き合ってこなかった戦争の記憶。気づけば同じペースで見ていたはずの友人たちの姿はなくなり、ひとり暗い空間の中、帰りの順路が見つからずぐるぐると歩きまわる。どこかの国の言語が流れつづける映像作品の音が耳にこびりついて離れない。怖気づいて作品たちをまともに見ることができない。係の人の案内で、きのこ雲と瓦礫を模した作品のなかを歩くことでしか帰りの順路に辿り着けないことを知り、さらに身体に緊張が走る。多くを感じ過ぎる前にこの部屋を出なければと思った矢先「閉館10分前です」と館内アナウンスが流れ、足早にその場を退いてしまった。今のわたしにはここまで。そのあと入口で待っている友人たちの顔を見てほっとして、広島駅へもどり、お好み焼きを食べながらお酒を飲みたらふく話した。オタクと推しの違い、MBTIの良し悪し、なにかに熱狂するにはどうすればいいのか、やられたらやり返したい悪癖について、などなど自然に出たテーマのなかで思い思いに話す。わたしは囚人のジレンマ理論のことなど得たばかりの知識をうんぬん話してしまい、何かに触れてそのことについて考えている途中のまだ形にならないことをツラツラと話してしまうと、いつも後で恥ずかしくなり思い返して反省が耐えない。帰りの新幹線でふたたび友田さんの本を読む。 ーp59 そこに、何かしらの本当らしさを感じなければ書き継ぐことはできないのである。そこで、本当の言葉というものを探してきた。そして、探し求めるなかで、求める旅を続けるうちに、求めていたものはすでに手にしていたという話が好きだと思い出した。ならば、この物語もそういう話になるのだろうか? わたしはこの広島旅で、友田さんを習いできるだけ気の向くまま偶然に導かれるようにして闊歩しようと決めていた。この旅になにかを求めていたのだろうか。求めているものが何かわからぬままに手にしているということも、もしかしてあるのだろうか?そんなことを考えながら、車内で半分眠りに落ちていた。
先人は遅れてくる
るららるららるらら
るららるららるらら
@rurara-rurara-rurara
広島いいな…!わたしも行くたびによぎるけど向き合えていない…。 行く前に広島のオススメの立ち飲み屋さんお伝えしたかった…! 自然に出たテーマの中で思いも思いに話すのやりたいし、なんならその列挙されているテーマどれも魅力的だ…
たま子
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@tama_co_co
ちょうどお店選び悩んでたのよ!聞いておけばよかった!!次行く時に絶対教えてもらおう〜! あれやこれやテーマに沿って話すのやっぱたのしいよねぇ……はやくるららさんに会いたいですわ🍺
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