傘野 "此の世の果ての殺人" 2026年5月27日

傘野
傘野
@amemoyou0831
2026年5月27日
此の世の果ての殺人
めちゃめちゃ面白かった…いっきに読んでしまった。少し前にコーマック・マッカーシーの『ザ・ロード』を読んでいたので、その前日譚っぽさもあるなと思ったりした。 「地球最後の日」が近づいてくる状況描写もだけれど、心理描写がとても良かった。なんというかもう「普通」が壊れてしまっているのだけれどそれが「普通」になってしまっている感じというか。 冒頭の奥地自殺のシーンや小春がお父さんの遺体を片付けるシーンにはかなりびっくりさせられたのだけれど、そのあたりでいっきにこの世界のトーンが解ったので、この描き方。持っていき方は上手いなあ…と思った。 また、これがデビュー作なのが信じられないくらい文章が上手い…読んでいてノイズになるような表現もないし、会話で誰が喋っているのか解らなくなるような箇所もなかった。 随所にあらわれる星の描写も良かった。アイテムとしての「星」ではなくて、作者も星が好きで、それでいてしっかり調べて文章にしていることが感じられた。 「終末」なので人間の醜い面もていねいに描いてはいるものの、まだ人間を信じたくなるうつくしいラストだった。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved