とよんちこ
@toyochin
2026年6月1日
そして、バトンは渡された
瀬尾まいこ
読み終わった
個人的には、、
あまり刺さらなかった。
というのも、あまり感情移入できなかった。
(辛口コメント多めなので注意)
複数回の両親の離婚に振り回され、最後は全く血の繋がらない父親と二人暮らしという、設定だけ見ればかなり面白そうに見えるだろう。
感情移入できない原因はこの父親が優しすぎるということだ。そこが本作の評価点でもあるのだろうが。口では意地悪っぽいが、内面は全力で人生をかけて娘のために父親を遂行しようとする。
心温まる美談だが、穿った見方をしてしまうため、こんな聖人はこの世にいないと思ってしまった。娘と冗談のように軽口を叩ける関係にあり、そのやり取りからは義理の娘に対する劣情など微塵も感じさせない。それでいて、娘に対しては人生の全てを注いでいる。義理の娘を引き取ると決まったときから、その心づもりだったと語られている。
その理由は、自分の人生に生きる意味が希薄だったからと終盤語られた。それがあまりにも人間味が薄く、作者にとってすべてが都合がいい、プロットアーマーに包まれた最高の義理の父親であるように感じてしまった。
全体的に登場人物がどれもこれも聖人すぎる。主人公は美少女らしいから、もっと下衆い考えをもつキャラもいるだろうに、ただひたすらに優しい世界でしかない。家族や血の繋がりをテーマにしていながら、徹底的に性欲の要素を排除していることが、却って全ての登場人物に薄っぺらさを感じさせる原因となっている気がする。
もちろん、性欲が人間のすべてではない。しかし家族や結婚をテーマとしているからこそ、そこを避けたまま無きものとして扱うのはいかがなものだろうか。おそらく、それらの要素を盛り込むとテーマやメッセージ性がとっ散らかるから作者が逃げただけだと思う。