
ほげ蔵
@kirihito8210
2026年5月31日
大きな鳥にさらわれないよう
川上弘美
読み終わった
淡白な文体なのにクリティカルなフレーズや世界観決定的なセリフなどがサラッと出てくるから
うかつに流し読みすると展開を見落としてしまうので読んでいて気が抜けない小説だ。
カタストロフ後の人類の遺伝子操作・クローン技術・AIによって再編成された世界が舞台。
カタストロフの内容は明示されないがコロニーの生活は驚くほど静か。
家族・血縁・婚姻というものが完全に解体されていて画像に例えると
「理系的パンクミュージックがモチーフの抽象絵画」のようだ。
人の心を走査できる「あたし」や、ついに植物のように光合成して日光浴をする新種などSF的ガジェットもモリモリだが
なにか情感ある文体の中で最低限つつましく自己主張するような描写であくまでも世界観優先の優しい筆致に安堵感を抱かせるものがある。
でも内容は猛毒というか突き抜けたものがあるんだけどね。静謐の中の大嵐。
このニュアンスを言語化するのは難しい。





