まろのふ "愚かな薔薇下" 2026年6月2日

愚かな薔薇下
恩田陸さんの真骨頂とも言える、「心の奥に漂う正体の知れない恐怖」が印象的に描かれていた作品でした。 今回はその恐怖だけでなく、少女から大人へと変わっていく過程での葛藤や喪失感も丁寧に描かれていたように感じます。前へ進むことで明るい未来が開けるというよりも、何かを諦めたり受け入れたりすることで、一歩成長していく――そんな物語だったのではないでしょうか。 恩田さんの作品はこれまでにも数多く読んできましたが、人物の心の揺れ動きや、言葉にしきれない感情の機微を描く巧みさには、改めて感心させられました。読後も静かな余韻が残る、恩田作品らしい一冊だったと思います。
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