

まろのふ
@takumarovski
「年間60冊以上」を目標に。
好きな作家は恩田陸さん、辻村深月さん、
森沢明夫さん、小野寺史宜 さんetc
登場人物の心理描写などがきちんと描かれているものや、伏線回収がしっかりしてる作品が好きです…最近は「食」にまつわる本を中心に読んでます。
- 2026年7月29日
わたしの美しい庭凪良ゆう読み終わった「隣の芝は青い」という言葉がある一方で、現代は「隣の芝も青くなければならない」と、周囲と同じであることを求める空気があるように感じます。 この作品は、そんな同調圧力や他人との比較に疑問を投げかけながら、自分だけの価値観や心の拠り所を見つけていく人々の姿を丁寧に描いていました。 読み終えたとき、「わたしの美しい庭」とは、誰にも踏み込まれることのない、自分だけの大切な居場所や心のあり方なのだと感じました。周囲に振り回されるのではなく、自分自身の「美しい庭」を育てていくことの大切さを、静かに教えてくれる作品でした。 - 2026年7月23日
リカバリー・カバヒコ青山美智子読み終わった生きていく中で、身近にある大切なものに気付けるかどうか。それだけで人生は大きく変わるのかもしれないと感じました。 大切にすべきものは、時や人、場所によって刻々と変わっていくものですが、その答えは意外にもすぐ近くにある。そんなことを優しく教えてくれる作品でした。 特に印象に残ったのは、「不安を抱くのは想像力があるから」という一文です。その言葉だけでも心に響きましたが、それに続く流れは、自分の心まで見透かされているような感覚を覚えました。 読後、自分のすぐそばにある大切なものを、もう一度見つめ直してみたくなる作品でし - 2026年7月18日
六人の嘘つきな大学生浅倉秋成読み終わった読み進めるほどに、登場人物に対する見方が何度も変わっていく作品だった。 人は誰かを見ているようで、実は一つの側面しか見ていない。そのことを痛感させられる。 タイトルには「嘘つき」というネガティブな言葉が使われており、中盤以降は誰を信じればいいのか分からなくなるような展開が続く。しかし、それもまた物語の一側面にすぎない。最後まで読み終えたとき、タイトルから受ける印象さえも変わっていた。 「大学生の就職活動」という日本独特の文化や空気感を巧みに物語へ落とし込み、ミステリーとしての面白さだけでなく、人を評価することの難しさや先入観の危うさについても考えさせられる作品だった。 - 2026年7月15日
博士の愛した数式小川洋子読み終わった数学――もとい、数字がたくさん出てくる作品は苦手。読み始めはそう思っていたし、実際に数式が登場したときは、読む手が止まってしまうのではないかと不安でした。 しかし、読み進めるうちに、その考えは大きく変わりました。数字や数式は単なる知識ではなく、登場人物たちの心をつなぎ、物語を彩る大切な要素として描かれており、その美しさに引き込まれました。 この作品には、さまざまな「愛」が描かれています。博士の数学への深い愛、主人公である「私」の息子への愛、そして博士と親子の間に育まれていく家族のような絆。どれも相手を思いやる気持ちにあふれていて、とても温かく感じられました。 博士には記憶という大きな制約があります。それでも、その制約の中でルールや法則を見つけ、日々の幸せを積み重ねていく姿は、人生そのものを表しているように思えました。 数学が苦手な私でも、数字の美しさと人をつなぐ力を感じることができた、心温まる一冊でした。 - 2026年7月13日
定食屋「雑」原田ひ香読み終わったコロッケ、とんかつ、カレー、から揚げ……。 短編ごとに一品の料理が登場しますが、決して料理そのものが主役ではありません。 登場人物たちは互いに適度な距離感を保ちながら関わり合い、その空気感がとても心地よく、まるで定食屋「雑」の常連客の一人として物語を見守っているような気持ちで読み進められました。 物語の中心となる二人は、最初こそ少し近寄りがたい印象を受けますが、誰もが抱えるような悩みや不安を胸に生きています。そして定食屋「雑」で過ごす時間の中で、それぞれが少しずつ前へ進むきっかけを見つけていきます。 その過程を必要以上に説明せず、答えを読者に委ねるような描き方だからこそ、読後にも心地よい余韻が残る作品でした。 - 2026年7月9日
medium 霊媒探偵城塚翡翠相沢沙呼読み終わった少し前に放送されていたテレビドラマ版を見ていたので、大まかなストーリーは知っていましたが、それでも原作を読むと後半の展開には驚かされました。 意外性というより、読者までも巧みに騙す作者の仕掛けは見事の一言。まんまと翻弄され、思わず脱帽です。 男性だからということもあるのでしょうが、主人公・城塚翡翠の魅力にすっかり惹き込まれていました。その感情さえも作品に散りばめられたヒントの一つだったのだと思うと、最後まで計算し尽くされた構成力に感心させられました。 - 2026年7月5日
小鳥とリムジン小川糸読み終わった主人公の小鳥さんは、過酷な人生を歩んできたことで、「自分が生きることには意味がない」とさえ感じながら生きています。そんな彼女が出会った人たちとの交流を通して、少しずつ心を取り戻していく物語でした。 印象的だったのは、誰かに救われるのではなく、その出会いをきっかけに自分自身で考え、自ら前へ進む道を選んでいくこと。だからこそ、その変化には大きな説得力があるように感じました。 過去に起きた出来事は決して消えないし、なかったことにもできない。それでも過去を抱えながら生きていくことには確かな価値があり、その姿はとても尊いものなのだと感じさせてくれる作品でした。 ちなみにタイトルの意味は物語の比較的序盤で明かされますが「そういうことだったのか」と感じられたのも印象的でした。 - 2026年7月2日
きのうの世界(下)恩田陸読み終わった上巻で散りばめられた謎は下巻で無事回収。 失踪した人物とどう関わるのか分からなかった「壊れたまま放置された三番目の塔」の謎も、真相を知ることでその意味を理解することができました。 物語の描写があまりにも現実的なため、「なぜ死んでしまったのか」という点に意識が向いていましたが、それこそが恩田さんの巧みなミスリードだったのだと気づかされます。 現実とファンタジーの境界を曖昧に描く世界観が印象的で、今回は恐怖よりも不思議さが心に残る作品でした。 - 2026年6月29日
きのうの世界(上)恩田陸読み終わった失踪した人間が、しばらく経って見知らぬ土地で殺される――。事件の事実はある程度出そろっているはずなのに、不思議とこの物語がどこへ向かうのかまったく読めない。 何とも言えない不安や緊張感が絶妙なバランスで保たれ、最後まで途切れることなく続いていく。 長編小説ではあるものの、章ごとに視点人物が入れ替わる構成のおかげで、展開はゆっくりでも飽きることなく読み進められます。下巻でこの物語がどのように収束していくのか、とても楽しみです。 - 2026年6月24日
さかのぼり喫茶おおどけい内山純読み終わった誰にでも、何をやってもうまくいかない時期というものがあると思います。そんなときほど「自分はこんなに頑張っているのに」と視野が狭くなりがちですが、少し視点を変えて物事を俯瞰してみることで、新たな気づきが得られる――そんなことを教えてくれた作品でした。 1作目と同様に、大時計が引き起こす不思議な力によって、悩みを抱えた人々が過去のある場面へと戻り、現在の問題を解決するためのヒントを見つけていきます。今回はそこに「歴史の積み重ね」というテーマも加わり、人と人とのつながりや、過去から受け継がれてきた想いの大切さがより深く描かれていたように感じました。 読後には、自分の悩みや苦しみも長い時間の流れの中の一部として捉えられるようになり、少し前向きな気持ちになれる、とても心温まる作品でした - 2026年6月23日
さよならの夜食カフェ古内一絵読み終わった「何かを得るたび、何かを失う」――。 Mr.Childrenの『くるみ』にも似たような歌詞がありますが、これまで私はその意味をうまく理解できずにいました。しかし、この作品を読んで、その言葉が少し腑に落ちた気がします。 生きるということは、常に何かを選択し続けることです。そして、ひとつの道を選べば、その裏で選ばれなかった道は失われていく。得ることと失うことは、決して切り離せないものなのだと感じました。 人生には辛いことや後悔することがあり、ときにはそれを長く引きずってしまうこともあります。そんな中で、シャールさんがお店を訪れた一人に向けて語った「自分で自分の機嫌を上手に取る」という言葉が特に印象に残りました。 過去を変えることはできなくても、自分の心の持ち方は変えられる。その大切さを、この物語は優しく教えてくれたように思います。 - 2026年6月20日
- 2026年6月19日
さらば! 店長がバカすぎて早見和真読み終わった読み始めは、主人公のテンションが前2作と異なることに違和感を覚えました。 しかし、物語の中で流れた年月を考えれば、大人になったことで生まれた諦めや達観のような変化なのだろうと納得しながら読み進めていました。 ところが後半、その印象を覆す展開に驚かされました…そういえば、この作品はそうだったな、と。 人は長く生きていれば、それだけ悩みや迷いも増えていくもの。それでも、自分の好きなことと真摯に向き合い、一歩ずつ前へ進んでいくことの大切さを改めて考えさせられる作品だなと思いました。 - 2026年6月17日
人生最高ごはん秋谷りんこ読み終わったトゲトゲしたところがなく、終始やさしい空気に包まれた作品でした。 食事の価値は値段や味、質の良さだけで決まるものではなく、誰と食べるか、どんな思いが込められているかにもあるのだと感じさせられます。 タイトルの『人生最高ごはん』は、まさにそうした食事を通じて人生において本当に大切なものを教えてくれる言葉だったように思いました。 - 2026年6月15日
天使は見えないから、描かない島本理生読み終わったこの作品の軸となる叔父と姪の関係については、最後までそれが正しいのかどうか判断できず、複雑な思いを抱えたまま読み終えました。しかしラストでは、「生きていく上で本当に大切なもの」について、一つの答えが示されたように感じました。 人は一人では生きていけない。誰かを頼ることで安心や安定を得られる一方で、誰かに頼られる存在になることも同じくらい大切なのだと気付かされました。 人と人との支え合いの尊さを改めて考えさせてくれる作品でした。 - 2026年6月12日
レトロ喫茶おおどけい内山純読み終わった迷える人たちに、喫茶店のメニューを通して進むべき方向を示してくれる物語でした。 教訓譚のような内容ですが、「おおどけい」が起こす不思議な出来事がファンタジーとして彩りを添え、心温まる作品に仕上がっていたと感じます。 生きていればさまざまな悩みや不安に直面するものですが、この物語のように、そっと優しく背中を押してくれる存在があればいいなと思いました。読後には前向きで穏やかな気持ちになれる一冊でした。 - 2026年6月10日
みんなのヒーロー藤崎翔読み終わった「お梅シリーズ」でも感じましたが、藤崎さんの作品は主人公が思わぬ方向へ転がっていく展開が面白い。 本作もまさにドミノ倒しのように物語が進み、結末の「そうきたか」という驚きも印象的でした。 - 2026年6月9日
サキの忘れ物津村記久子読み終わった総じて、自分の心と向き合うような内省的な短編集でした。 登場人物たちは、前向きに捉えられない出来事や感情について思いを巡らせており、その心の動きには共感できる部分も多かったです。一方で、それぞれの作品にテーマはあるものの明確な答えが示されないことも多く、読後も霧の中にいるような感覚が残りました。すっきりとした結末を求める人には合わないかもしれませんが、人の心の曖昧さを味わえる一冊でした。 - 2026年6月2日
愚かな薔薇下恩田陸読み終わった恩田陸さんの真骨頂とも言える、「心の奥に漂う正体の知れない恐怖」が印象的に描かれていた作品でした。 今回はその恐怖だけでなく、少女から大人へと変わっていく過程での葛藤や喪失感も丁寧に描かれていたように感じます。前へ進むことで明るい未来が開けるというよりも、何かを諦めたり受け入れたりすることで、一歩成長していく――そんな物語だったのではないでしょうか。 恩田さんの作品はこれまでにも数多く読んできましたが、人物の心の揺れ動きや、言葉にしきれない感情の機微を描く巧みさには、改めて感心させられました。読後も静かな余韻が残る、恩田作品らしい一冊だったと思います。 - 2026年6月2日
ギフト原田マハ読み終わった短い話がギュッと詰まった一冊。 1話1話が短いゆえに、大きな展開があるわけでもなく、非常にシンプルな展開が多かったです。とはいえ、この話とこの話はつながってたり、など仕掛けもあり…個人的には「十二月のカレンダー」と「聖夜、電車に乗って」が心に残りました。
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